文春と新潮がそろって「100歳まで健康に生きる」ための記事掲載

お年寄りのイメージ(Photo by Cristina Gottardi on Unsplash)
お年寄りのイメージ(Photo by Cristina Gottardi on Unsplash)

意外に大事な「雑食」

「人生100年時代」が来ているという。長い老後をいかに健康に過ごすかは医療費負担や介護の問題もあって国民的な課題となっている。奇(く)しくも週刊新潮と週刊文春(いずれも11月3日号)が示し合わせたかのように「100歳まで健康に生きる」を探った記事を載せている。週刊誌でこうした企画が多いのも、読者層が高齢化している証左だ。おもしろいのは両誌のアプローチに違いがあること。

新潮は「80歳の壁」の著者で精神科医の和田秀樹氏に話を聞いた。100歳まで健康に生きるためには80歳ごろにある体力・気力の衰え、つまり「壁」をいかに乗り越えるかがカギだという。同氏の著書は50万部も売れているが、そこに書かなかった「大事な点」を同誌に明かすのだという。

それは「雑食」、つまり何でも食べるということだ。これは健康を維持する「食事と睡眠」の食事の部分で、必要な栄養素を取るには肉にこだわらず「多様な栄養素を摂取する」ことが大事だということ。

中でも驚いたのが「ラーメン」。コレステロールが心配で医師から「スープは飲むな」と釘(くぎ)を刺されている人も多いのではないだろうか。ところが、ラーメンは「麺で糖質がとれ、最近はスープも化学調味料は少量で、10種類以上の食材が使われています。トッピングをメンマに卵、焼き豚などいろいろ選べば、雑食としてはもってこいです」と推奨しているのだ。ラーメン好きの高齢者にとってこれ以上の“朗報”はないだろう。

だがコレステロールはどうなった。こいつは悪者ではないのか。和田氏によれば、これは「男性ホルモンの材料になる」し、「幸せホルモンとして精神の安定を司るセロトニンを脳内に運ぶ機能も担っている」ので、「コレステロール値が高い人ほどうつ病になりにくいことがわかっています」という。さらに「免疫細胞の材料になるから、コレステロール値が高い人ほどがんになりにくい、というデータもあるのです」というから、いいことづくめではないか。要はどうコレステロールと付き合うかなのだ。