文春と新潮がそろって「100歳まで健康に生きる」ための記事掲載

毎日の行動を変える

次に和田氏が指摘するのが「行動を変えること」。気を若く保つには毎日決まりきったことを繰り返しているのではなく、たまには変わったことをする、新しいものに目を向ける。高齢者が引きこもれば、人目を気にせず、服装も生活も乱れる。知人に60歳で引退生活に入り、一日中スエットを着て、髪の毛もとかさず、無精ひげで過ごす人がいるが、あっという間に老け込んだ。人は見られることで「格好つけたい」と思う。それが男性ホルモンの分泌につながる。分泌が減少すると「筋力が低下し、意欲が低下して、他人との付き合いが億劫になります」(和田氏)というが、まったくその症状である。

和田氏は「タブーを設けたり因習に囚われたりせず、日々実験的発想でことに挑めば、意欲にもつながり、有意義で幸せな老後を過ごすことができ」ると説く。引きこもり高齢者にはその情報すら届かないのだから、まず、これをどうするかが最初の課題ではあるが。

文春は「腸活」を推薦

文春は「腸活」をメインに据えた。「腸内環境は生活習慣の『総決算』」として、いかに腸を健康に保つか、考え方や食べ物を紹介している。腸の状態は「食生活の全てが出る」と京都女子大学の今井佐恵子教授が同誌に語る。「百兆個以上は体内にいるといわれる腸内細菌をコントロールする」には食物繊維と発酵食品が重要だとして、各種食材を紹介している。

週刊新潮もそうだが、なぜ今「100歳まで」なのか、厚生労働省のキャンペーンでも始まるのかと見回しても、それらしいものはない。強いて挙げれば年金受給年齢の引き上げ案に対応した自己防衛策の提示なのか。それなら、そもそも「年金改悪」自体を取り上げるべきだが。

(岩崎 哲)