国会で議論優先すべき安保政策、物価対策など「日曜討論」のテーマ

防衛費に恒久財源論

16日放送の「日曜討論」の中では、防衛費増額賛成が55%、反対29%との10月のNHK世論調査を受け、増額の財源について各党の考えが示された。

「防衛費増額にあたっては安定財源が基本だ。まずは与党・政府が提案すべきだ」(玄葉光一郎立憲民主党ネクスト外務・安全保障大臣)。「当面は国債でいいが、しっかりと安定財源を考えるのが政治の責任だ」(前原誠司国民民主党安全保障調査会長)。「増額は避けて通れない。財源については恒久財源がきちっと確保されなければいけない」(佐藤茂樹公明党外交安全保障調査会長)。「こういう予算は一過性でないので、安定した税収を考える必要がある」(小野寺五典自民党安全保障調査会長)。

「安定財源」「恒久財源」が不可欠との考えを、自民、公明の与党と立民、国民の主要野党の政策責任者が示し、特に自民の小野寺氏は「税収」と表現した。つまり、ゆくゆくは増税が議論に上る。同調査では増額賛成55%の内訳は「ほかの予算を削る」61%、「国債の発行」19%、「増税」16%。が、公明の佐藤氏は「緊急経済対策のように1回ぽっきりで国債に依存するというものとは全く違う」と指摘した。

また立民の玄葉氏は、東日本大震災当時に閣僚だった経験から復興特別税を例にして発言、これを自民の小野寺氏は評価した。新税にしろ既にある消費税、法人税、所得税の税率を変えるにしろ、将来の議論に野党側の理解を期待したいところだろう。岸田文雄首相は北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国のGDP比2%を念頭に防衛費増額を進めるため、恒久財源の確保を示唆する発言をしている。本来、国会で大きな議論になるはずだ。