論点共有する改憲派
ネタ元は7月に共産党機関紙「しんぶん赤旗」が報じた「『勝共連合』改憲案 自民とうり二つ」などの記事だろう。国際勝共連合副会長が2017年4月に公開した動画に緊急事態、家族条項などがあるというものだ。
だが、改憲案は多士済々な改憲派がさまざま発表している。現在は立憲民主党で政権批判をしている小沢一郎氏、民主党政権で首相を務めた鳩山由紀夫氏らも改憲案を発表している(1999年9月文藝春秋特別号「日本国憲法改正試案」小沢一郎、2005年PHP研究所「新憲法試案」鳩山由紀夫著)。メディアでは読売新聞社が1994年、2000年、04年の3回にわたって検討した「読売憲法改正試案」を、産経新聞が13年に「国民の憲法」要綱を発表した。その他の政治家、有識者、改憲派団体など幾つもの改憲案が発表されている。自民案は05年、12年に発表された。
憲法を見直す論点は、2000年に全党会派でスタートした国会憲法調査会が、5年にわたって調査と審議を行い取りまとめた最終報告で共有されている。発表された各改憲案も論点は重なり、例えば9条改正では自衛軍、国防軍設置など似通っていると言い得る。
それを不正確にも「旧統一教会の考え」と述べ、「憲法改正が遠のいた」とほくそ笑むのは、改憲潰(つぶ)しを企図するレッテル貼りというものだ。
結局「国葬反対」も戦後、敗戦革命を目指した左翼勢力の9条護憲の延長線にある。朝鮮戦争による再軍備論や主権回復のための講和条約署名(1956年)に反対し、その後の自衛隊発足、日米安保条約改定、ベトナム戦争、スパイ防止法制定運動、自衛隊海外派遣、安保法制などに反対したのと一緒の構図だ。
また、弁護士の三輪記子氏、ジャーナリストの青木理氏らは国葬儀に「法的根拠がない」と批判した。が、内閣府の所轄事務として内閣の儀式を行う規定がある内閣設置法に基づいて行う国葬儀だと政府は説明している。



