歯止めかからぬ円安に「警戒」は説くも正面から「打つ手」示さぬ各紙

物足りなさ残る日経

日経も同様。ただ同紙の場合は、円安の進行について産経のような警戒を要する表現は一つもなく、「円安による輸入物価の高騰で幅広い品目が値上がりし、購買力が毀損する痛手は大きい」と述べるのみ。あとは見出しにあった通り、「円安には円安の利点もある。円安の風をうまく生かす政策や経営が重要になる」と訴えるのである。

発想の転換と言えばそうとも言えるが、円安対策に正面から向き合うことを避けているというか、しないのである。経済紙としての見解を聞きたかっただけに、物足りなさが残った。

円安進行への対策は、「餅は餅屋に聞け」とばかりに日銀に求めたのは読売。「金融緩和に伴う円安が物価高の一因となっている中で緩和策を続ける場合、日銀は事態を改善する方策についてどう考えているのか、説明してもらいたい」という具合である。

同紙は円安については、ことあるたびに「為替相場の動向に警戒を強めるべきだ」と指摘はするが、それにとどまり、経済対策などで見られるような積極的な提案が少ない。日経や産経など他紙も示せていないように、それだけ難しい問題ということなのか。