一歩踏み込んだ朝日
その点、「現状維持」だけで日本経済の安定が保てるのかと問い、「日銀は検証を急ぎ、先行き指針の再検討など、的確な対応をとる必要がある」と一歩踏み込んだ感のある指摘をしたのは朝日である。
朝日は、約3カ月で20円もの円安進行は、家計の先行き不安や企業の事業計画上の不透明要因になり、経済全体への悪影響も見過ごせない、と指摘。日銀の金融政策に対して、長期金利を一定水準で厳格に頭打ちにする今の政策の「指針のあり方を見直すべき局面ではないか」と注文を付けたのである。長期金利の上昇を抑え込む手法が、金利差拡大を維持し円安容認とみられるからである。
東京は大規模な為替介入も辞さない具体的な対策を求めたが、介入は効果、実現性で疑問符が付き、具体的な対策の中身がはっきりしない。
(床井明男)



