【韓国紙】30%台に落ちた尹大統領の支持率

求められるのは大統領のリーダーシップ

「貞観政要」(中国唐代に呉兢が編纂(へんさん)したとされる太宗の言行録)では太宗が、「近ごろ朝廷の大臣たちは一様に国の大事については議論しないが、どうしてなのか」と尋ねると宰相の魏徴が答える。「陛下が心を無にして臣下の意見を受け入れるならば、当然話す者があるでしょう」と。尹大統領が自省しなければならない点だ。

尹大統領の政治が根本問題だ。大統領である前に政治家だが、政治経験がないばかりか政治と距離をおく。野党はもちろん与党の人間ともあまり会わない。たまに会っても自分の話ばかりするのだという。人の話を聞かなくて、どうして国政遂行方式や態度が変わると期待できようか。

政治学者の金京熙(キムギョンヒ)は、「マキャベリは正しいか正しくないかの問題を倫理や道徳でなく政治の観点でまず考えた。すなわち正しい政治が良いのはそれが善良なためでなく、それが力をもたらすからだ」と言った。

国民の信頼を受けて民心を引きつければ、国政の動力が大きくなるはずだ。ならば何よりも対話と妥協の政治を復元しなければならない。大統領のリーダーシップにかかっていることだ。与小野大(少数与党)の状況では傾聴と説得に努めてこそ国政の懸案を解決していく道を見いだし得る。尹大統領が掲げる法治は政治に代わることはできない。

(朴完奎(パクワンギュ)論説委員、7月19日付)