
当時の国情院院長に捜査の手
韓国では政権が代わると「旧悪を暴く」ように前政権の行いが俎上(そじょう)に載せられる。文(ムン)在寅(ジェイン)政権もその例外ではない。2019年11月に発生した「北朝鮮漁民強制送還事件」が現在、新政権によって検証されようとしている。
国会では文在寅氏を支持する野党が多数を占めていて、尹(ユン)錫悦(ソンニョル)政権による追及は2年後の総選挙で与党が多数を取るまでは難しいだろうとみられていたが、そうではなかった。検証でやり玉に挙げられているのは文氏の側近たち。まずは外堀から埋めようとのことか。
発生当時、不思議な事件だとの印象を強く与えた。北朝鮮から韓国に「亡命」した漁船員2人は亡命意思を明らかにしたのに、文政権は彼らを板門店を通じて北朝鮮へ送り帰したのだ。
「リバティーコリアポスト」は当時、「同僚漁民16人を殺害した凶悪犯という理由で強制送還した北朝鮮船員2人が、実際には北朝鮮住民たちを脱北させようとしたが、北朝鮮で逮捕されそうになり脱出した青年たち」だったと報じた。
文政権は「凶悪犯」と言う一方で、「彼らは死んでも祖国(北朝鮮)に帰る、と陳述している」として、いわば犯罪者の“言いなり”に北朝鮮へ帰している。どう見ても、文政権の対応は不自然だ。



