ウクライナ侵攻で中立のアルジェリア、親欧米へシフトする可能性

ウクライナの首都キーウで会談をするゼレンスキー大統領=キーウ、11月19日(UPI)
ウクライナの首都キーウで会談をするゼレンスキー大統領=キーウ、11月19日(UPI)

国際的孤立強める露

ロシアのウクライナ侵攻に中立的な立場を取る国が多い中東・アフリカ。1970年代から非同盟の立場を取り、東西勢力と等距離外交を展開してきた北アフリカの主要国の一つアルジェリアもそのうちの一国だ。だが、戦闘の長期化を受けて、西側に傾斜するのではないかとの見方が出始めている。産油国であり、地理的、経済的に欧州に近いアルジェリアが親欧米へとかじを切ればロシアの国際的な孤立はさらに強まることになる。

シンクタンク、欧州安全保障研究所の上級アナリスト、エミリー・ミリンケン氏と米リスクコンサルタント「ガルフ・ステート・アナリティクス」の最高経営責任者(CEO)、ジョルジオ・カフィエロ氏は、米ニュース・サイト「レスポンシブル・ステートクラフト」で、「ウクライナの民間インフラ、市民への攻撃が続けば、紛争へのアルジェリアの見方も変わる可能性がある」との見方を示している。

両氏によると、「ロシア侵攻への(アルジェリアの)反応は、驚くには当たらない」。ロシアは、戦略的パートナーであり、主要武器供給国、一方の欧州とは天然ガス供給など、経済的、政治的関係が深いからだ。アルジェリアとしては、両者を天秤(てんびん)に掛けながら、うまく乗り越えられればそれはそれで国益にかなう。

だが、北アフリカ・リスクコンサルティングのCEO、ジェフリー・ポーター氏は記事中、「紛争が長引けば中立を維持するのは困難になる」と強調する。