
哀悼の意なく袋叩き
安倍晋三元首相が凶弾による非業の死を遂げて約80日。一昨日(おととい)には国葬儀が厳かに営まれた。それで事件以降にこれを論じた各紙社説を総括しようと思い立った。数えてみれば、総数は74本に上った(27日現在)。
各紙の社説本数と、その内容を①テロ対策②要人警護③国葬④教団(旧統一教会)問題の四つに分類し、それを左派紙と保守紙に分けて一覧にしてみると、いささか数字の羅列で恐縮だが、以下のようになった(1社説でテーマが二つある場合、それぞれにカウント。日経は保守で集計)。
<左派紙>朝日15本(①1②1③4④10)、毎日19本(①1②2③8④8)、東京13本(①1②0③5④7)
<保守紙>産経13本(①3②2③5④3)読売8本(①2②2③3④2)日経6本(①1②2③1④2)
社説数は左派紙が47本で保守紙の27本を圧倒している。しかも④の教団が25本で5割強に及び、保守紙7本の3倍以上も多い。③の国葬も3割強の17本で、保守紙9本の2倍近い。
これで一目瞭然、左派紙の社説は教団と国葬で9割を占め、両問題で埋め尽くされているといっても過言ではない。その論調には故人への哀悼の意は微塵(みじん)もなく、教団を「絶対悪」と位置付け、その“汚名”を安倍氏になすり付け、それを国葬反対論へと飛躍させている。まるで袋叩(だた)きだ。



