
世界が驚くTV番組
外国人たちに「何しに日本へ来たか」を聞くテレビ番組が人気を博している。同工異曲で日本大好き外国人を「日本へ招待」したりして、外国人に日本の“良さ”を語らせ、日本は素晴らしい、と持ち上げる番組も人気だ。
島国日本は自分が海外からどう見られているかを気にする方だという。これらはその心理を一捻(ひね)りした自画自賛番組のようで、楽しく視聴しながらも、「やり過ぎてないか」と斜め視線を外せなかった。
ニューズウィーク日本版(8月9・16日号)が「世界が称賛する日本の暮らし」を特集した。世界的雑誌の現地版がついに同様の企画を出すのか、と手に取ってみると、特集を組んだきっかけはあるテレビ番組がネットフリクスで世界に配信され、その内容に驚かれると同時に人気になっているからだという。番組の名は「はじめてのおつかい」だ。
幼い子供が1人(か2人のことも)でお使いに行く様子をカメラが追って、その“波瀾(はらん)万丈”ぶりをハラハラドキドキしながら見る番組だ。子供がお金を渡され、頼りなく店まで行き、言われたことを忘れずに店に伝えられるか、重たい荷物を最後まで持っていけるか、おつりを落とさないか、道に迷わないか、事故に遭わないか、それはもう手に汗握って視聴者は見守る。無事帰ってきて、親にハグされるけなげな姿に涙さえする。
海外の人も同じだろう。どこも親が子を思う心は共通だ。しかし、外国人が驚く視点は少し違うのだと同誌は言う。何よりもまず「子供が一人で外出できる」ことだ。つまりこのような治安の良さは海外ではない、ということなのだ。



