[上昇気流]

【上昇気流】(2022年12月28日)

今年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は内容充実だった。鎌倉時代は戦国時代と並ぶ日本史上の「戦」の時代だ。その中の最重要人物が北条義時だ。太宰治著『右大臣実朝』(1943年)も、彼の人物像を描き出している。

【上昇気流】(2022年12月27日)

東京の歌舞伎座で11月から開かれていた市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿さんの襲名披露公演は、昨日千秋楽を迎えた。今年はあまり明るいニュースがなかったが、その年の瀬に團十郎さんの襲名口上で「睨(にら)み」を見ることができたのは来年に繋(つな)がる明るい材料だった。

【上昇気流】(2022年12月26日)

「意図的な実験室からの流出とは言わないが、中国共産党がそれを隠蔽(いんぺい)したという事実を否定することはできない」――新型コロナウイルスのパンデミックを引き起こしたのは中国・武漢ウイルス研究所(WIV)からの流出だと考えるかどうかについて、米共和党マイク・ギャラガー下院議員の話(小紙19日付)。米世論の一般的な受け止め方だろう。

【上昇気流】(2022年12月25日)

きょうはクリスマス。だが、実際は昨日のイブの方が盛り上がる感じがする。新年へのカウントダウンで盛り上がる大みそかと、静かな気持ちで迎える正月との対比を思わせるものがある。

【上昇気流】(2022年12月24日)

イルミネーションに彩られた街にクリスマスソングが流れている。いつもの風景とは言え、つい足取りが軽くなる。これも福音の恵みだろうか。

【上昇気流】(2022年12月23日)

「遠客再来」。住友生命保険が募集した今年の世相を反映した創作四字熟語の最優秀作品である。新型コロナウイルスの水際対策緩和で、訪日外国人客(インバウンド)がようやく戻ってきたのを捉え、「千客万来」をもじった。

【上昇気流】(2022年12月22日)

『武士道』の著書で知られる新渡戸稲造は、米国留学時代、ボルティモアに住み、「ミーティングハウス」の信徒になった。これはクエーカー教徒の教会で、日本の禅宗のような雰囲気があった。

【上昇気流】(2022年12月21日)

民間就業者の7~8割が働いている中小企業は付加価値の5割を占めている。中小企業対策は産業政策のうち最も重要な課題の一つだ。新型コロナウイルス禍の中、中小企業庁が「激変する世界・日本における今後の中小企業政策の方向性」と題したリポート(概要・参考資料集)を出したのは半年前。

【上昇気流】(2022年12月20日)

サッカー・ワールドカップのカタール大会は劇的なPK戦の末にアルゼンチンが36年ぶりの3度目の優勝を果たした。選手たち、スタジアムやアルゼンチンのサポーターは歓喜の涙を流す姿が多かった。しかし勝利の立役者で自身2度目の最優秀選手(MVP)に輝いた主将のメッシ選手に涙はなく、終始晴れやかな笑顔を見せていた。

【上昇気流】(2022年12月19日)

今世紀に入って少子化で学生が集まらなくなり、大学のうちには統合という形で乗り切るケースが続いている。地元の教員を養成する教育系の大学が目立つ。

【上昇気流】(2022年12月18日)

気流子の散歩コースの途中に、低木の栗(くり)の木畑がある。花が咲き、実を結び、青い毬栗(いがぐり)が葉の間に見えていたが、熟して少しずつ落下。

【上昇気流】(2022年12月17日)

こんな思春期を過ごした人は、どのような人生を歩むだろうか。――父は3度結婚し、3度とも妻に先立たれた。その2度目の妻が彼の母だが、6歳の時に亡くなり、兄は17歳、姉は19歳、継母(父の3度目の妻)は20歳、父は22歳の時に亡くなった。

【上昇気流】(2022年12月16日)

文部科学省は通常学級に在籍する公立小中学生の8・8%に発達障害の可能性があるとの調査結果を発表した。10年前より2・3ポイント増加という。個別にコミュニケーション方法などを学ぶ「通級指導」を受けている児童生徒は1割に届いておらず、増加ペースに支援が追い付かない実態が明らかになった。

【上昇気流】(2022年12月15日)

福島県の西端にあるJR只見駅で下車した。ホームと言っても、線路と広い空間があるだけ。駅舎を出ると、タクシー会社とインフォメーションセンターがあった。

【上昇気流】(2022年12月14日)

「演技を客席に届けるのではなく、それよりももう少し奥にある何かに向かって捧げたいという気持ちが若い山崎努にはあった」と山崎努氏が書いている。『「俳優」の肩ごしに』(日本経済新聞出版/近刊)という自伝的な本の中だ。若い時だけではなく、今も同じ考えなのだろう。

【上昇気流】(2022年12月13日)

あす14日(旧暦)は、赤穂浪士討ち入りの日である。無念の死を遂げた主君・浅野内匠頭の仇(かたき)を討った浪士たちを、江戸庶民は武士の鑑(かがみ)と称(たた)え、「仮名手本忠臣蔵」は国民劇となった。

【上昇気流】(2022年12月11日)

「冬木立静かな暗さありにけり」(高浜年尾)。あまりの恐怖や驚きに襲われると、一夜にして髪が白髪になってしまうことがあるらしい。実際に経験したことはない。そんなことを思ったのも、いつも通っている道での出来事から。

【上昇気流】(2022年12月10日)

東北では師走になると、平地の雨も山では雪になり、頂上から白い衣を下ろすように冬景色を広げていく。ただ暖かい南風も時折吹く。すると、白い衣は再び山頂付近に押し戻され、そんなせめぎ合いを経て厳冬を迎える。

【上昇気流】(2022年12月9日)

月刊『Hanada』に連載中の「古書現世」店主、向井透史さんの『早稲田古本劇場』が同名のタイトルで本の雑誌社から出版された。9月には、東京・神保町の東京堂書店で週間売り上げ2週連続1位を記録した。

【上昇気流】(2022年12月8日)

新刊書を見ようと書店に立ち寄ると、クリスマスの音楽が流れていた。もう今年も最後の月だと実感した。流れていたのは近代の曲だったが、もう少し古い時代の曲の方が味わい深い趣がある。

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