[上昇気流]

【上昇気流】(2023年2月28日)

新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)以後、小紙の編集局にも新人記者が入ってきたが、いまだに顔と名前が覚えられない。もともと取材先に出ていることが多いことに加え、テレワークが増えたこともある。しかしそれ以上に、マスクを着けた顔しか見ていないので、印象が定かでないのが大きいようだ。

【上昇気流】(2023年2月27日)

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」――。地震という自然現象は敵そのものではないが、その状況を見誤ったり準備を怠ったりすれば、容赦なく牙をむく敵になる。多数の建物が倒壊して5万人を超える犠牲者を出したトルコ地震の教訓だ。

【上昇気流】(2023年2月26日)

もう数十年以上も前、大学受験の合格発表の掲示を見てから、上野駅発の普通列車(鈍行)で東北の故郷に帰ったことがある。いつもであれば数時間ばかりだが、各駅停車で10時間近くはかかった。故郷の駅に着いた時は深夜になっていた。バスもなく徒歩では遠過ぎるので、初めてタクシーで帰宅したことを思い出す。

【上昇気流】(2023年2月25日)

かつて国会よりも活気に満ちた地方議会があった。「福祉のミノベ」ともてはやされた学者知事、美濃部亮吉・革新都政下の東京都議会である。議員の議会質問は「事前通告」が慣例だったが、野党・自民党はしばしばそれを破った。

【上昇気流】(2023年2月24日)

少子化対策が政権の最重要課題となっている日本だが、お隣の韓国ではわが国を上回る少子化が進んでいる。韓国統計庁によると、2022年の合計特殊出生率が0・78と7年連続で過去最低を更新。経済協力開発機構(OECD)の中で最下位だ。

【上昇気流】(2023年2月23日)

ブナの森を「緑のダム」と呼び、豊かな森林のある日本を「水の回廊」と呼んだのは、写真家の水越武さん。福島県只見町はブナを町の木に指定するほどブナの森が豊かで、人々の暮らしはその恵みを受けている。

【上昇気流】(2023年2月22日)

大学の非常勤講師をやっていたころ、レポートの提出を求めた。無論、単位と直結する。多くのレポートを読むうちに「見事」と言うしかないものがあった。内容もそうだが、表現(文章力)も驚くようなものだった。

【上昇気流】(2023年2月21日)

『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』などの作品で知られる漫画家の松本零士さんが亡くなった。零時社の代表取締役で長女の松本摩紀子氏は「星の海に旅立ちました」とコメントを発表した。

【上昇気流】(2023年2月20日)

日本の医学や物理学のノーベル賞受賞者には京都大学出身者が多いが、他の大学にない研究が根付いているからというのが理由の一つだ。ユニークと言えば、瞑想(めいそう)を医療に取り入れようとする研究もそうだ。

【上昇気流】(2023年2月19日)

このところ、つえを持っている高齢者を見掛けることが多い。実際につえを持たないと歩けない場合もあるが、持たないと不安という人もいるようだ。つえを使わずにスタスタ歩いているのを見たこともある。

【上昇気流】(2023年2月18日)

年輩の男性ガイドはまるで伝道師だった――。名古屋市にあるトヨタ産業技術館を訪ねた時のことだ。ガイドに「お時間はいかほど取れますか」と聞かれ、「30分ほど」と答えると「分かりました。では……」と導かれた。

【上昇気流】(2023年2月17日)

米本土に飛来し撃墜された中国の偵察気球と同じような気球は、日本でもたびたび確認されていた。2020年に宮城県で確認された時、当時防衛相だった河野太郎デジタル相は「安全保障に影響はない」と断言。気球の行方について問われ「気球に聞いてください」ととぼけた。

【上昇気流】(2023年2月16日)

「以前から私は、真の探検家がさまざまな探検の過程で築き上げたその人間性が探検以外の人たちに与えるインフルエンス(影響)というものに、非常に大事な価値を認めていた」。

【上昇気流】(2023年2月15日)

三菱重工業は、愛知県などを拠点に開発を進めた国産初の小型ジェット旅客機「スペースジェット」(旧MRJ)の開発中止を発表した。事業化のめどが立たないためだが、残念無念だ。

【上昇気流】(2023年2月14日)

北陸在住の高校のクラスメートから、週末に友人同士、食べ物を持ち寄り家で同期会をやるとメールが来た。今の季節、美味(おい)しい海産物が多い。当日、ブリや甘えびなどの刺し身を大皿に盛った写真を送ってきて、気流子をうらやましがらせた。

【上昇気流】(2023年2月12日)

「大雪にショートケーキの如き街」(川口咲子)。東京に雪が降り、屋根が白に覆われた。雪国に住んでいた者には、雪は当たり前だったが、東京ではそう降ることもないので新鮮な気持ちと億劫(おっくう)な思いで複雑な心理になる。

【上昇気流】(2023年2月10日)

歴史学者の平泉澄は終戦2日後に東京帝国大学教授を辞し、実家の平泉寺白山神社(福井県)に戻って宮司になった。それから数年後、山奥の小さな村の秋祭りのために山を登っていった道で、学校帰りの児童らと一緒になった。

【上昇気流】(2023年2月10日)

「ぼくにとって戦争とは、うなりをたてて飛んでくる弾丸、地面をはね回る鉄の破片を意味した」――。スペイン内戦に参戦しフランコ軍と戦った英国作家ジョージ・オーウェルがその体験を綴(つづ)った『カタロニア讃歌』(都築忠七訳、岩波文庫)の一節である。

【上昇気流】(2023年2月9日)

福島県郡山市に大安場史跡公園がある。JR郡山駅から南東5㌔の同市田村町にあり、阿武隈川の東側にある田園地帯だ。5基の古墳が発掘されて、史跡公園として開園したのは2009年。

【上昇気流】(2023年2月8日)

近所にバイパスの工事現場がある。10年ぐらい工事が続いている。いつ完成するかは分からない。あきれるほど長い工事だが、特に不便を感じるわけでもないので、関係者に完成時期について聞いたことはない。

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