[上昇気流]

【上昇気流】(2022年6月4日)

明の成祖・永楽帝が北京に遷都して築いた承天門は、その後焼失し、清の世祖・順治帝の時代に再建されて天安門と呼ばれるようになった。その門前の天安門広場が6月4日(1989年)、血に染まった。

【上昇気流】(2022年6月3日)

英国でエリザベス女王の即位70年を祝う「プラチナ・ジュビリー」が始まった。テレビ中継からも祝賀ムードが伝わってくる。盛大なパレードには参加しなかったが、バッキンガム宮殿のバルコニーからお祝いの群衆に笑顔で応える女王の矍鑠(かくしゃく)とした様子は、96歳とは思えない。

【上昇気流】(2022年6月2日)

「ソ連から帰ってくると、さっそく僕は、減量にとりかかりました。ようやく『その気』になったのかもしれません。ソ連の『スポーツマスター』どもに、そんな体でよく登れるものだ、と変なところで感心された」。

【上昇気流】(2022年6月1日)

「一冊を最後まで通読しなくてもいい」――。千葉雅也著『現代思想入門』(講談社現代新書/近刊)の中の言葉だ。その根底には「読書は全て不完全」という考え方がある。読書に関する完全主義とは違った発想だ。

【上昇気流】(2022年5月31日)

ロシア軍によるウクライナのオデッサ港の海上封鎖で、世界的な食料危機が懸念されている。オデッサと聞いて映画ファンがすぐに思い浮かべるのは、ソ連のエイゼンシュテイン監督の「戦艦ポチョムキン」の「オデッサ階段」だろう。

【上昇気流】(2022年5月30日)

今、企業が国際的にその価値を高める方途に無形資産の投資・形成の実践がある。蓄積された企業文化や技術を自社だけでなく、社会的価値の創造のために役立てること。広い意味での社会的イノベーション活動が特に大事だという。国の立場で言えば、危機管理能力の向上ということになろうか。

【上昇気流】(2022年5月29日)

梅雨が近づいているのか、先日は強い雨が降った。午後に晴れ上がったので、散歩に出掛けると、道路には雨の気配は既になかった。だが、空気は蒸し蒸ししていた。

【上昇気流】(2022年5月28日)

2005年4月に中国の主要都市で「反日デモ」が繰り広げられたことがある。デモの一部は暴徒化し、日系スーパーや日本大使館などが襲撃された。中国当局が日本の国連安保理常任理事国入りを牽制(けんせい)するために仕組んだ「官製デモ」だった。

【上昇気流】(2022年5月27日)

英国を代表するファストフードで、庶民のソウルフードであるフィッシュ・アンド・チップスが、ピンチに直面しているという。その大半をウクライナに頼っていたヒマワリ油の輸入が滞っているためだ。価格が3倍にもなり、業界団体によると、英国内約1万店舗のうち3分の1が今後9カ月以内に閉店を迫られる恐れがある。

【上昇気流】(2022年5月26日)

俳人で「門」名誉主宰の鈴木節子さんが今月8日、亡くなった。90歳だった。22日には恩師、能村登四郎の創刊した「沖」の50周年記念大会が都内のホテルであり、そこに席が用意されていた。

【上昇気流】(2022年5月25日)

戦後、わが国の宇宙開発事業で試練が続いたのは1990年代末。現在も運用が続くロケットH2Aの前のH2開発時代に、打ち上げの失敗が相次いだ。99年には鹿児島・種子島宇宙センターから打ち上げられた8号機が、4分後にエンジンを停止し、海に落下した。

【上昇気流】(2022年5月24日)

1941年8月、ルーズベルト米大統領とチャーチル英首相は、カナダ東部ニューファンドランド沖の英艦上で会談し、「大西洋憲章」を発表した。第2次大戦と戦後世界に対する基本的な態度を明らかにしたもので、領土の不拡大、民族自決、貿易障壁の引き下げなどを謳(うた)っている。

【上昇気流】(2022年5月23日)

新型コロナウイルスが人工的に作られ、中国・武漢ウイルス研究所(WIV)が発生源である可能性を、米国防情報局のベリエ局長が公式の場で初めて明かしたことが、米紙ワシントン・タイムズに出ている(小紙19日付国際面)。

【上昇気流】(2022年5月22日)

「薄繭の出来ゆく音の微かにも」(木暮つとむ)。「繭」は、昆虫がサナギになる時の家のようなものだが、俳句の季語の場合、蚕の繭のことを指す。この繭から絹糸が取れることは昔から知られ、古事記や日本書紀の神話にも出てくる。

【上昇気流】(2022年5月21日)

今年の直木賞に輝いた今村翔吾氏の『塞王の楯』は安土桃山期の城造りを担った石工集団の物語だが、沖縄にもグスクと呼ばれる城塞がある。世界遺産の勝連城や今帰仁(なきじん)城の石垣は実に見事で、何度見ても飽きない。

【上昇気流】(2022年5月20日)

新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家らから、マスクの着用について新見解が示された。屋外では周りの人との距離が十分に取れていない場合でも、会話が少なければ「必ずしも必要はない」という。これから夏に向かい熱中症のリスクが高まることを考慮したものだ。

【上昇気流】(2022年5月19日)

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が実行され、世界の関心が向けられると、関係出版物も出されるようになった。政治や軍事だけでなく、両国の歴史や文化に関するものも登場。

【上昇気流】(2022年5月18日)

テレビ画面に昔の映像が出てくることがある。数年前か100年前か、日本なのか外国なのかは不明。が、時に「いつ」「どこ」が表示されない。映像が印象的な場合もあるので「日時と場所をなぜ示さないのだろう?」と思うことが最近多い。

【上昇気流】(2022年5月17日)

山梨県道志村のキャンプ場近くの山中で発見された人の骨が、2019年9月に行方不明になっていた小倉美咲さん(当時小学1年)のものと判明した。生きて帰ってくることを信じていた母の心中は察するに余りある。

【上昇気流】(2022年5月16日)

リング状の光り輝く物体――地球から約2万7000光年離れた天の川銀河の中心にある「いて座Aスター」の巨大天体。一昨日の紙面に載った写真で、これがブラックホールであることを初めて視覚的に示した。「イメージ通りだ」と快哉(かいさい)を上げた読者もいるのではなかろうか。

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