[上昇気流]

【上昇気流】(2022年8月5日)

ペロシ米下院議長の訪台で面子(めんつ)を潰(つぶ)された中国が、台湾周辺で軍事演習を行い圧力を加えている。発射した弾道ミサイルのうち5発は日本の排他的経済水域内に落下したもようで、岸信夫防衛相は強く非難した。

【上昇気流】(2022年8月4日)

「クマはものすごくうまそうにサーモンを食べる。体長80㌢はあるサーモンにかぶりつくとバリッ、バリッと骨が砕ける音が聞こえてくる」――。動物写真家、前川貴行さんの写真集『クマたちの世界』の一節。

【上昇気流】(2022年8月3日)

生物学者らに、人間とウイルスとの間で「共生関係」を結ぶことが大事だという考え方がある。ウイルスなどの病原体にはすみ処(か)があり、本来は相応の野生動物が宿主だが、今日、自然環境の破壊が続いていてそれがままならない。

【上昇気流】(2022年8月2日)

全国各地で猛暑日が続き、熱中症予防のため高齢者は日中の外出を控えるようにと言われている。しかし家の中にばかりいるとどうも体がなまるようで、近くの緑道を歩いた。木陰が意外と涼しく、夏の日を浴びた百日紅(さるすべり)が美しい花を咲かせている。

【上昇気流】(2022年8月1日)

鹿児島市・桜島の爆発的噴火をめぐって同市の下鶴隆央市長は、噴火警戒レベルが3(入山規制)から5(避難)に引き上げられたことについて「大規模噴火の予兆なのか、居住地域に飛散する恐れから引き上げたのか、分かりやすい情報発信の在り方が検討されるべきだ」と気象庁に注文を付けたという。

【上昇気流】(2022年7月31日)

「七〇歳になった。/なってしまった。/真壁雲斎の齢を、八歳も越してしまった」――。山岳小説や伝奇小説などで知られる作家の夢枕獏さんのエッセー『仰天・俳句噺』から。真壁雲斎とは小説「キマイラ」に登場する武道の達人だ。62歳の雲斎のことを老人と30代の夢枕さんは書いたが、自分が70歳になって、60代は老人ではないと実感を込めて記している。

【上昇気流】(2022年7月30日)

新盆の7月が瞬く間に去っていく。今年は京都の祇園祭で山鉾(やまほこ)巡行が3年ぶりに行われ、今週日曜日には「後祭」の巡行で「鷹山(たかやま)」と呼ばれる山鉾が196年ぶりに蘇(よみがえ)った。晴天下の都大路を祇園囃子の音と共に堂々と巡行した。

【上昇気流】(2022年7月29日)

新型コロナウイルス新規感染者が全国で23万人を超え、最多を更新した。そんな中で3年ぶりに対面で開かれた全国知事会では、新型コロナの感染症法上の扱いを見直すことなど対策を転換すべきとの意見が相次いだ。

【上昇気流】(2022年7月28日)

東京都写真美術館で「メメント・モリと写真」展が開かれている(9月25日まで)。メメント・モリとはラテン語で「死を想(おも)え」の意味。この言葉は中世末期の西欧で、骸骨が人間と踊る「死の舞踏」のイメージと結び付き、芸術の題材となった。

【上昇気流】(2022年7月27日)

映画やドラマを早送りしながらインターネットで見る「倍速視聴」が広がっているらしい。録画したテレビ番組をCMを飛ばしながら見るのは普通だが、当方は本編そのものを倍速で見ることはない。

【上昇気流】(2022年7月26日)

東京湾に浮かぶ無人島「猿島」に渡り、旧日本軍の要塞(ようさい)跡を見てきた。横須賀の三笠公園の桟橋から出る連絡船で行ける。船も島も観光客で溢(あふ)れていた。

【上昇気流】(2022年7月24日)

第167回芥川賞・直木賞の受賞作が発表された。芥川賞は高瀬隼子さんの「おいしいごはんが食べられますように」(「群像」1月号)、直木賞は窪美澄さんの「夜に星を放つ」(文藝春秋)が選ばれた。

【上昇気流】(2022年7月23日)

国連科学委員会の前議長ギリアン・ハース氏が来日していたことを小紙20日付で初めて知った。東京都内の日本記者クラブで会見し、東京電力福島第1原発事故による放射線被曝(ひばく)について「直接影響した健康被害はない」との見解を改めて示したという。

【上昇気流】(2022年7月22日)

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、将軍・源頼朝が死んで、いよいよ有力御家人たちの血で血を洗う権力闘争が始まる。この闘争を北条義時が勝ち抜いて執権の座に就くのがメインストーリーだから、これまでは長い序章とも言える。

【上昇気流】(2022年7月21日)

登山愛好家の中には、山の花々が好きだという人が多い。東京都八王子市にある高尾山に登った際、京王線高尾山口駅前の観光案内所に行くと、開花の時期を迎える植物名を教えてくれた。

【上昇気流】(2022年7月20日)

停滞する前線の影響で列島各地に記録的な大雨が降り、宮城県や山口県では河川が氾濫して住宅に浸水被害が出ている。避難のタイミングを誤らないようにしてもらいたい。

【上昇気流】(2022年7月19日)

東芝が、国内であれば居住地をどこでも自由に選べる「遠隔地勤務」を試験導入すると明らかにした。自宅などでのテレワークが原則という。通信大手のNTTグループも、全国どこでも勤務可能な制度「リモートスタンダード」を導入すると発表しているが、大手メーカーにも出てきたことは注目に値する。

【上昇気流】(2022年7月18日)

「数学のノーベル賞」と言われ、4年に1度、優れた業績を挙げた40歳以下の数学者に贈られる「フィールズ賞2022」にウクライナ・キーウ出身のマリナ・ビヤゾフスカさんらが選ばれた。女性の受賞は史上2人目。

【上昇気流】(2022年7月17日)

「仮の世のひとまどろみや蝉涼し」(高浜虚子)。蒸し暑い日、何かが足りないと感じた。ふと遠くからセミの声がかすかに聞こえた。それでセミの声が欠けていることに気付いた。セミは何よりも夏と切っても切れない虫という感がある。

【上昇気流】(2022年7月16日)

福島県のほぼ中央に位置する本宮市は「福島のへそのまち」を名乗る。その玄関口、JR本宮駅は昨年末、リニューアルした。ガラス張りのモダンな橋上駅舎の渡り廊下には駅ピアノもある。そこに行けば安倍晋三元首相に会うことができる。

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