[上昇気流]

【上昇気流】(2022年11月17日)

紅葉の季節となった。鮮やかに記憶に残る紅葉の風景といえば、まず京都。寺院で真っ赤に色づいた上品なモミジを見た時、この古の都は自然界まで雅やかだと実感し、古典文学の世界が甦(よみがえ)った。

【上昇気流】(2022年11月16日)

「たられば」はいけないと野球の解説者(元有名選手)がしばしば言う。「……していたら」とか「……していれば」のパターンは厳禁という意味だ。

【上昇気流】(2022年11月15日)

テレビ番組「てなもんや三度笠」などに出演した喜劇俳優の白木みのる(本名・柏木彰)さんが約2年前に亡くなっていたことが分かった。「てなもんや三度笠」では、小坊主・珍念役で、藤田まことさんが演じる渡世人あんかけの時次郎の相手役を務めた。

【上昇気流】(2022年11月13日)

「秋の夜や旅の男の針仕事」(小林一茶)。江戸時代は電車や車のような便利なものがなかったので、遠出する時は足を使って歩いた。大名の参勤交代などを除けば長旅はほとんどなく、基本的には近郊への旅だった。健康でないと満足に歩くこともできないし、旅行自体も一般的ではなかった。

【上昇気流】(2022年11月12日)

孔子が編んだとされる『春秋』には洪水や干ばつ、地震などの天災は、誤った政(まつりごと)への天の警告とある。漢代には儒家がこの考えを盛んに広め、「天人相関説」と呼ばれた。

【上昇気流】(2022年11月11日)

ロシアのショイグ国防相は、ウクライナ軍が攻勢を強める同国南部へルソン市からの撤退を発表した。プーチン大統領が9月に一方的に併合を宣言した4州の一つへルソン州の州都だ。ロシアが伏兵を残し市街戦になることをウクライナ側は警戒しているものの、奪還されればプーチン氏にとっては大きな痛手となる。

【上昇気流】(2022年11月10日)

アートセラピーという言葉を知ったのは、米国人画家ナターシャ・シャピロさんの個展を取材した時だった。2010年11月に東京・目黒区の画廊で開かれ、花や都市の風景の作品が展示されていた。

【上昇気流】(2022年11月9日)

世界的な供給不足になっている半導体。米国は「半導体支援法」で生産のてこ入れをし、高技術の半導体の中国輸出規制を大幅に強化するなど慌ただしい。日本も国際社会の中で大きな力を発揮したい。

【上昇気流】(2022年11月8日)

国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が、エジプトのシャルムエルシェイクで始まった。温室効果ガスのさらなる排出削減と共に、アフリカ地域を代表するエジプトが議長国ということで、途上国に対する先進国の資金支援も重要な議題となる見込みだ。

【上昇気流】(2022年11月7日)

韓国ソウル市の繁華街・梨泰院の雑踏事故では、事前対策として路地を一方通行にする手があった。梨泰院の大通りに出る路地は何本かあり、それぞれ進行方向を決めておれば大惨事は避けられたのではないか。

【上昇気流】(2022年11月6日)

「大空の深きに落葉舞ひ上る」(高浜虚子)。散歩の道に落ち葉が少しずつ増えている。茶色や黄色の枯れ葉もあれば、まだ色づいていないものもある。絵葉書のような紅葉ではないが、それはそれで悪くはない。

【上昇気流】(2022年11月5日)

人間は考える葦(あし)である――。17世紀の仏哲学者パスカルの言である。人は宇宙にあっては水辺に育つ葦のようにか弱い存在だが、考えることができる。「我々の尊厳のすべては考えることの中にある」(『パンセ』中公文庫)。

【上昇気流】(2022年11月4日)

七五三のシーズンになった。子供たちの健やかな成長を願う日本の伝統行事である。正式には11月15日だが、七五三詣では始まっていて、近くの神社でも両親に手をつながれた袴(はかま)姿の男の子が参拝に訪れていた。

【上昇気流】(2022年11月3日)

J・S・バッハの傑作「平均律クラヴィーア曲集」の題名は、原語では「よく整えられたクラヴィーア」。翻訳に平均律という調律用語が充てられたが、題名の由来は別のところにあったらしい。

【上昇気流】(2022年11月2日)

スポーツには観客が付き物だ。無観客の競技の薄ら淋しさは、新型コロナウイルス禍で体験した。観客はいた方がいいに決まっている。スポーツには応援も付き物だ。スポーツでは特定の一方を応援することが多い。そこが芝居の観客との違いだ。

【上昇気流】(2022年11月1日)

歌舞伎界を代表する大名跡、市川團十郎が9年ぶりに復活した。市川海老蔵さんが十三代目團十郎を襲名し、東京・歌舞伎座での「顔寄せ手打式」で「歌舞伎のために生きられる團十郎となれるよう、日々精進する覚悟でございます」と決意を述べた。

【上昇気流】(2022年10月31日)

自動車運転の無人化、つまり“ロボット化”が進んでおり、日本でも遠隔監視による無人自動運転サービス(自動運転「レベル4」)の許可制度が来年4月1日から実施されることになった。

【上昇気流】(2022年10月30日)

「秋深き影藤棚の下広く」(高浜年尾)。散歩していると、枯れ葉を踏み、乾いた音を立てる季節となった。枯れ葉によって秋の深まりを知るのだが、枯れ葉は掃いても掃いても溜(た)まっていく。

【上昇気流】(2022年10月29日)

この世に楽土を建設する。そんな次代の国家指導者を育てたい――。「経営の神様」と言われた松下幸之助さんはそう考えて「松下政経塾」を立ち上げた。

【上昇気流】(2022年10月28日)

「この一冊に、ありがとう」の標語の下、第76回「読書週間」が始まった。終戦間もない昭和22年、平和な文化国家を目指し制定され、その甲斐(かい)あって日本は世界有数の読書国となった。日本に来た外国人が電車の中で読書する日本人の姿に感心するまでになった。

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