[文化]
夏殷周以前 最古の虞朝遺跡か 中国浙江省一帯に広がる「良渚文化」
編集部 -
中国浙江(せっこう)省一帯に広がる「良渚(りょうしょ)文化」が、夏殷周の3王朝に先立つ「中国最古の虞(ぐ)朝」とする考え方が注目されつつある。虞朝は夏朝以前に存在したと古文献に記された王朝だ。伝説的な三皇五帝のうち最後の堯(ぎょう)や舜(虞舜ともいう)やその系列(虞氏または有虞氏)の王朝を指す。
春に開花するユキツバキの園 雪椿発見の地/新潟県阿賀町
編集部 -
日本列島の気候的特性は、中央の山岳地帯によって日本海側と太平洋側とに分けられるために、植物もそれに適応して分化した。そのため近縁でありながらも性質が異なる植物が多数見られる。
創造的な思考の本質語る 外山滋比古のロングセラー『思考の整理学』
編集部 -
2020年に96歳で亡くなった英文学者で言語学者、エッセイストの外山滋比古氏の『思考の整理学』(ちくま文庫)は、1983年の単行本での発売から今日まで読み継がれるロングセラーだ。帯には発売から2020年までの間に270万部売れ、全国の大学生に1番読まれた本とある。
【フランス美術事情】プーチン大統領も手を伸ばす
編集部 -
ロシアのプーチン大統領がウクライナから手に入れたいのは主権だけではない。かつて20世紀の大戦争でヨーロッパを席巻したドイツのナチスを率いるアドルフ・ヒトラー同様、ウクライナの美術品や文化財にも手を伸ばそうとしている。
ダンテ『神曲』の名翻訳家 イタリア文学者・山川丙三郎と島崎藤村
編集部 -
ダンテの『神曲』は、山川丙三郎(1876~1947)の邦訳が、イタリア語の原語からのもので地道な研究に裏付けられ、現在14種類ある日本語訳の中でも最も格調の高い優れた訳とされている。
“没後弟子”道 貫いた西村賢太
編集部 -
昨年2月に急逝した西村賢太の短篇集『蝙蝠か燕か』(文藝春秋)が出た。「文學界」に連載し完結の一歩手前で未完に終わった大作『雨滴は続く』(同)と合わせて読んで、この「破滅型」と言われる私小説作家の到達した世界と、その原点に改めて触れることができた。
代々の奥方らが愛でたもの 「前田家伝来雛人形雛道具特別展」/金沢
編集部 -
加賀前田家の奥方御殿として知られる金沢市の成巽閣(せいそんかく)(国重文)で、「前田家伝来雛人形雛道具特別展」が開かれ、代々の奥方らが愛(め)でた雛(ひな)人形と雛道具が展示されている。
企画展「江戸から明治へ 三つの家のファミリー・ヒストリー」
編集部 -
江戸から明治へと移る激動の時代、秋田藩士の菅生家と商人・升屋家、そして鉱山の重役を務めた小林家はどのような歴史をたどったのか?あまり知られていない時代に焦点を当てた企画展「江戸から明治へ三つの家のファミリー・ヒストリー」が秋田県立博物館(秋田市)で開かれている。
ヘロドトスの『歴史』と旧約聖書 バビロニアに捕囚された民
編集部 -
ヘロドトス(前484年ごろ~前425年ごろ)が著した『歴史』は、全ギリシャを危機に陥れたペルシャ戦争について、原因を究明するために東方世界を訪ね歩き、見聞した事どもを記録していた。登場するのはリュディア、メディア、バビロニア、ペルシャ、エジプト、スキタイ、ギリシャなどで、諸民族が闘争しつつ世界史を形成した様相が描かれている。
詩歌を革新した2人の評伝 客観的な目で人と業績に迫る
編集部 -
2019年に亡くなった日本文学研究家ドナルド・キーン氏晩年の著作、『石川啄木』が『正岡子規』に続いて新潮文庫に収められた。日本近代の詩歌を革新した2人の文学者については、既に夥(おびただ)しい評伝が書かれているが、新鮮な感動を覚えた。子規と啄木の全人像を生き生きとよみがえらせ、その文学の本質に迫っている。
【フランス美術事情】ピカソ 功罪問われる没後50周年
編集部 -
今年はスペインの巨匠画家パブロ・ピカソの没後50周年ということで、世界中で記念イベントが目白押しだ。仏美術誌コネサンス・デアールの調べでは、世界中の40近くの文化機関で、合計42の芸術イベントが「ピカソ年」にちなんで開催されるという。
平成19年「自然首都・只見」宣言 ただみ・ブナと川のミュージアム/福島県
編集部 -
福島県の只見町は日本屈指の豪雪地にあり、面積の9割以上が山林だ。標高は最も低い所で360㍍。山々は1000㍍前後で、最高峰は丸山岳1820㍍。国土地理院の地図には102の山名が記載され、全国の市町村のトップ。
農耕に勤しむ民の素朴な思い 「ぞんべら祭り」と「万歳楽土」
編集部 -
奥能登では立春を過ぎると、1年の五穀豊穣(ほうじょう)を願う予祝神事が営まれている。輪島市門前町鬼屋(きや)に鎮座する神明宮(しんめいぐう)(鬼屋神社)で、毎年2月6日に行われている「ぞんべら祭り」と、同12日と26日、同町門前の櫛比(くしひ)神社の「万歳楽土(まんざいろくと)」だ。これらは一連の神事で、奥能登に伝承される田遊びとして、農耕にいそしむ能登人(びと)の素朴な思いを伝えている。
まなぐ凧でコロナ退散 3年ぶりに湯沢市凧あげ大会
編集部 -
「お正月には凧(たこ)あげて」と唱歌に出てくる「凧」だが、湯沢凧同好会会長の小野育朗(いくろう)さんは凧を自作し普及活動もしている。今春3月19日には3年ぶりに、秋田県湯沢市B&G海洋センター前広場で、第66回湯沢市凧あげ大会を予定している。
百円均一本が開く出会いの世界
編集部 -
東京・西早稲田の「古書現世」店主、向井透史さんの『早稲田古本劇場』(本の雑誌社)が好評だ。月刊誌『Hanada』連載中のエッセー約10年分をまとめた。古本屋の日常を自然体でつづり、それがエンターテインメントとなっている、そんな不思議な味わいを持つ本である。
5000年前の森と住居再現 遺跡庭園「縄文の村」/東京都多摩市
編集部 -
京王・小田急多摩センター駅の近く、南東側に遺跡庭園「縄文の村」がある。散策していくとあちこちに縄文時代の竪穴住居が復元されており、大昔の時代に舞い戻ったような気分になる。
通りが「ギャラリー」に変身 富山県高岡市の「山町筋の天神様祭」
編集部 -
学問の神様として親しまれている菅原道真を祀(まつ)る“天神信仰”が盛んな富山県高岡市で、今月21日(土)、22日(日)、恒例の「山町筋の天神様祭」が開かれる。高岡では長男が生まれると、最初のお正月に母方の実家が初孫の無病息災や学業成就を祈念して、天神様の掛け軸や彫刻を贈る仕来りで、それは現在も脈々と受け継がれている。
【フランス美術事情】「パリ、どこにもない」展/移民歴史博物館
編集部 -
フランスは世界中から多くの移民を迎え入れ、アラブ系移民はフランスの人口の1割に達する約600万人が暮らし、ユダヤ系は60万人で、いずれもヨーロッパ最大のコミュニティーを形成している。かつてコスモポリタンの町と呼ばれたパリには外国人居住者が今も多い。
芭蕉の先人 仙台の俳人・大淀三千風 全国行脚、俳諧の開発に努める
編集部 -
松尾芭蕉の奥羽行脚(あんぎゃ)に、漂泊の先輩である仙台の俳人大淀(おおよど)三千風(みちかぜ)の影響を逸することはできない。元禄2(1689)年、芭蕉が『おくのほそ道』で宮城県仙台市を訪れた目的の一つに三千風と会う、というのがあった。



