[文化]

企画展「秋田藩の絵図-描かれた城と城下町-」

江戸時代の藩境や城下町の町割、そして明治時代以降の街並みの変遷を描いた絵図は多くの示唆に富む。

裏側から炙り出す時代の本質 本郷和人著『黒幕の日本史』

東京大学史料編纂(へんさん)所教授の本郷和人氏の新著『黒幕の日本史』(文春新書)は、タイトルこそおどろおどろしいが、日本史や歴史上の人物に新たな光を当てる好著だ。

甲州古道の片隅にある道標 「上行講」碑/東京都八王子市

東京都八王子市にある高尾山の北側を甲州古道が通っている。JR高尾駅から小仏までこの道をバスが走っているが、蛇滝口(じゃたきぐち)のバス停近くで「上行講(じょうこう)」(写真)の石碑を見掛けた。道路の南側、小仏川よりだ。

文様の多彩さに驚き 特別展「縄文・小川忠博写真展」/秋田

特別展「縄文・小川忠博写真展」が秋田県立近代美術館(横手市)で開かれている。日本の考古学・美術研究の発展に大きく寄与した作品を集めたもので、縄文写真展実行委員会(同館ほか)の主催。

敗戦国の精神風景と鎮魂 平山周吉著『小津安二郎』を読む

今年生誕120年、没後60年を迎える日本映画の巨匠、小津安二郎。平山周吉氏の新著『小津安二郎』(新潮社)は、この年を記念するにふさわしい重厚な評伝だ。

短歌革新運動への旅 正岡子規が訪れた南山閣/仙台市

宮城県仙台市の北西部、青葉区八幡から国見に上っていく坂道にかつて南山閣という文学者のサロンがあった。

もともとは伯爵格の小領主 約650年間も続いたハプスブルク家

ハプスブルク家が登場したのは11世紀といわれている。

花の祭典「2023となみチューリップフェア」 富山

北陸の春を彩る花の祭典「2023となみチューリップフェア」(主催・公益財団砺波市花と緑と文化の財団など)が、富山県砺波市の砺波チューリップ公園を中心に、22日から開催される(5月5日まで)。

信仰の祖とされる千松兄弟

岩手県一関市藤沢町のキリシタン殉教の地・大籠(おおかご)を訪ねた。殉教者309人という江戸時代の初めの過酷な歴史を伝えるが、特に千松地区は、信仰の祖とされる千松兄弟にまつわる史跡が点在している。

ヘロドトスの『歴史』再考 文明は東から西へ移動する

紀元前5世紀の歴史家、ヘロドトスの著した『歴史』は、荒唐無稽な話が多いとか、フィクションがあると批判されていたが、現代では、文化人類学や社会学の方法が研究に取り入れられて、材料の宝庫として注目されるようになった。

秋田県内最大級の町家「旧松倉家住宅」 修復整備し新たな交流の場に

新たな賑(にぎ)わいの場として、明治時代の完成された町家(まちや)としては秋田県内最大級の「旧松倉家住宅」(県指定有形文化財)が3月下旬、文化交流施設として生まれ変わり、さまざまなイベントが開かれている。

対象の本質に迫る眼光 『土門拳の古寺巡礼』/東京都写真美術館

戦後日本を代表する写真家土門拳は、『ヒロシマ』『筑豊のこどもたち』など社会派の写真集を世に送り出す一方で、日本文化の本質に迫る『古寺巡礼』をライフワークとした。今年はその『古寺巡礼』全5巻の第1巻が刊行されて60年。これを記念して展覧会「土門拳の古寺巡礼」が東京都写真美術館で開かれている(5月14日まで)。

「長谷川等伯展~水墨の美技と、一門の俊英と~」

能登七尾出身で桃山時代に活躍した絵師・長谷川等伯(1539~1610年)を顕彰する「長谷川等伯展~水墨の美技と、一門の俊英と~」が、今月29日から石川県七尾市の七尾美術館で開催される。

祭りや行事、家族の日常記録 8ミリフィルムを収集/秋田市立図書館

主に昭和30年代から50年代にかけ家庭で撮影された8ミリフィルムを収集し、当時の貴重な風俗や価値を見直す動きが全国各地で進んでいる。秋田県でも取り組みがなされ、近日中にまず3本のDVDを完成させ、秋田市立図書館で公開する予定だ。

企画展「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」

「ポケモンと工芸、正面切って出会わせたとしたらどんな『かがく反応』が起きるだろう」。この問いに、人間国宝から若手まで20人のアーティストが挑んだのが、現在、金沢市の国立工芸館で開催中の「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」。陶器や金工、ガラスなど工芸の各分野で活躍する人間国宝から若手のアーティストまで、20人が手掛けた新作約70点を展示。春休みと重なり、連日多数の家族連れが訪れている。

【フランス美術事情】オルセー美術館とメトロポリタン美術館協力

「笛を吹く少年」で有名なエドアール・マネも、踊り子の連作で知られるエドガー・ドガもフランスの巨匠として日本で広く知られている。だが、この2人だけを突き合わせた企画展は珍しく、今回、パリのオルセー美術館は、ニューヨークのメトロポリタン美術館と協力し、2人の巨匠の特別展を開催した。

文学に生きることを決意 岩野泡鳴/竜の口渓谷で死を覚悟

宮城県仙台市の西、八木山動物公園の近くに、竜の口渓谷に架かる八木山橋がある。明治・大正期の自然主義の代表的な作家・詩人の一人、岩野泡鳴(1873~1920年)は若いころここで自殺を試みたことがあった。

郷里で培われた鋭い感受性 岸本尚毅編「室生犀星俳句集」を読む

詩集『抒情小曲集』や小説『幼年時代』などで知られる室生犀星の創作の原点は、俳句にあった。15歳の時、故郷金沢で地元の『北國新聞』に投句を始めた犀星は、一時の中断期を挟み、生涯にわたって句作を続けた。そのうちの約800句を精選した『室生犀星俳句集』(岸本尚毅編、岩波文庫)を読むと、専門俳人の句にはない詩情を湛(たた)えた、魅力的な句が多いことに改めて驚かされる。

日常風景の中の詩と美 「佐伯祐三―自画像としての風景」展

詩情あふれるパリの街角を描き30歳の若さで他界した洋画家、佐伯祐三の作品100点余を一堂に集めた「佐伯祐三―自画像としての風景」展が、東京・丸の内の東京ステーションギャラリーで開かれている(4月2日まで)。

耳飾り、幻の城跡、烏帽子 4年ぶり 県内初の発見続く

縄文時代の耳飾りがお墓から同時に2点も見つかったり、奈良時代の幻の雄勝城(おがちじょう)の確定に近づく幅広い溝跡が発掘されたり、烏帽子(えぼし)を被った身分の高い人物の墓が発見されたりと、令和4年度の「秋田県埋蔵文化財発掘調査報告会」は興味深い内容となった。

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