[文化]
裏側から炙り出す時代の本質 本郷和人著『黒幕の日本史』
編集部 -
東京大学史料編纂(へんさん)所教授の本郷和人氏の新著『黒幕の日本史』(文春新書)は、タイトルこそおどろおどろしいが、日本史や歴史上の人物に新たな光を当てる好著だ。
甲州古道の片隅にある道標 「上行講」碑/東京都八王子市
編集部 -
東京都八王子市にある高尾山の北側を甲州古道が通っている。JR高尾駅から小仏までこの道をバスが走っているが、蛇滝口(じゃたきぐち)のバス停近くで「上行講(じょうこう)」(写真)の石碑を見掛けた。道路の南側、小仏川よりだ。
文様の多彩さに驚き 特別展「縄文・小川忠博写真展」/秋田
編集部 -
特別展「縄文・小川忠博写真展」が秋田県立近代美術館(横手市)で開かれている。日本の考古学・美術研究の発展に大きく寄与した作品を集めたもので、縄文写真展実行委員会(同館ほか)の主催。
敗戦国の精神風景と鎮魂 平山周吉著『小津安二郎』を読む
編集部 -
今年生誕120年、没後60年を迎える日本映画の巨匠、小津安二郎。平山周吉氏の新著『小津安二郎』(新潮社)は、この年を記念するにふさわしい重厚な評伝だ。
花の祭典「2023となみチューリップフェア」 富山
編集部 -
北陸の春を彩る花の祭典「2023となみチューリップフェア」(主催・公益財団砺波市花と緑と文化の財団など)が、富山県砺波市の砺波チューリップ公園を中心に、22日から開催される(5月5日まで)。
信仰の祖とされる千松兄弟
編集部 -
岩手県一関市藤沢町のキリシタン殉教の地・大籠(おおかご)を訪ねた。殉教者309人という江戸時代の初めの過酷な歴史を伝えるが、特に千松地区は、信仰の祖とされる千松兄弟にまつわる史跡が点在している。
ヘロドトスの『歴史』再考 文明は東から西へ移動する
編集部 -
紀元前5世紀の歴史家、ヘロドトスの著した『歴史』は、荒唐無稽な話が多いとか、フィクションがあると批判されていたが、現代では、文化人類学や社会学の方法が研究に取り入れられて、材料の宝庫として注目されるようになった。
秋田県内最大級の町家「旧松倉家住宅」 修復整備し新たな交流の場に
編集部 -
新たな賑(にぎ)わいの場として、明治時代の完成された町家(まちや)としては秋田県内最大級の「旧松倉家住宅」(県指定有形文化財)が3月下旬、文化交流施設として生まれ変わり、さまざまなイベントが開かれている。
対象の本質に迫る眼光 『土門拳の古寺巡礼』/東京都写真美術館
編集部 -
戦後日本を代表する写真家土門拳は、『ヒロシマ』『筑豊のこどもたち』など社会派の写真集を世に送り出す一方で、日本文化の本質に迫る『古寺巡礼』をライフワークとした。今年はその『古寺巡礼』全5巻の第1巻が刊行されて60年。これを記念して展覧会「土門拳の古寺巡礼」が東京都写真美術館で開かれている(5月14日まで)。
「長谷川等伯展~水墨の美技と、一門の俊英と~」
編集部 -
能登七尾出身で桃山時代に活躍した絵師・長谷川等伯(1539~1610年)を顕彰する「長谷川等伯展~水墨の美技と、一門の俊英と~」が、今月29日から石川県七尾市の七尾美術館で開催される。
祭りや行事、家族の日常記録 8ミリフィルムを収集/秋田市立図書館
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主に昭和30年代から50年代にかけ家庭で撮影された8ミリフィルムを収集し、当時の貴重な風俗や価値を見直す動きが全国各地で進んでいる。秋田県でも取り組みがなされ、近日中にまず3本のDVDを完成させ、秋田市立図書館で公開する予定だ。
企画展「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」
編集部 -
「ポケモンと工芸、正面切って出会わせたとしたらどんな『かがく反応』が起きるだろう」。この問いに、人間国宝から若手まで20人のアーティストが挑んだのが、現在、金沢市の国立工芸館で開催中の「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」。陶器や金工、ガラスなど工芸の各分野で活躍する人間国宝から若手のアーティストまで、20人が手掛けた新作約70点を展示。春休みと重なり、連日多数の家族連れが訪れている。
【フランス美術事情】オルセー美術館とメトロポリタン美術館協力
編集部 -
「笛を吹く少年」で有名なエドアール・マネも、踊り子の連作で知られるエドガー・ドガもフランスの巨匠として日本で広く知られている。だが、この2人だけを突き合わせた企画展は珍しく、今回、パリのオルセー美術館は、ニューヨークのメトロポリタン美術館と協力し、2人の巨匠の特別展を開催した。
文学に生きることを決意 岩野泡鳴/竜の口渓谷で死を覚悟
編集部 -
宮城県仙台市の西、八木山動物公園の近くに、竜の口渓谷に架かる八木山橋がある。明治・大正期の自然主義の代表的な作家・詩人の一人、岩野泡鳴(1873~1920年)は若いころここで自殺を試みたことがあった。
郷里で培われた鋭い感受性 岸本尚毅編「室生犀星俳句集」を読む
編集部 -
詩集『抒情小曲集』や小説『幼年時代』などで知られる室生犀星の創作の原点は、俳句にあった。15歳の時、故郷金沢で地元の『北國新聞』に投句を始めた犀星は、一時の中断期を挟み、生涯にわたって句作を続けた。そのうちの約800句を精選した『室生犀星俳句集』(岸本尚毅編、岩波文庫)を読むと、専門俳人の句にはない詩情を湛(たた)えた、魅力的な句が多いことに改めて驚かされる。
日常風景の中の詩と美 「佐伯祐三―自画像としての風景」展
編集部 -
詩情あふれるパリの街角を描き30歳の若さで他界した洋画家、佐伯祐三の作品100点余を一堂に集めた「佐伯祐三―自画像としての風景」展が、東京・丸の内の東京ステーションギャラリーで開かれている(4月2日まで)。
耳飾り、幻の城跡、烏帽子 4年ぶり 県内初の発見続く
編集部 -
縄文時代の耳飾りがお墓から同時に2点も見つかったり、奈良時代の幻の雄勝城(おがちじょう)の確定に近づく幅広い溝跡が発掘されたり、烏帽子(えぼし)を被った身分の高い人物の墓が発見されたりと、令和4年度の「秋田県埋蔵文化財発掘調査報告会」は興味深い内容となった。



