オピニオン

デジタル社会の陥穽 求められる「情報的健康」 メンタルヘルスカウンセラー 根本 和雄氏に聞く

政府は2021年9月、デジタル社会実現の司令塔としてデジタル庁を発足させた。デジタルの活用により一人ひとりのニーズに合ったサービスを提供することで、多様な幸せを実現する社会を目指すと説いているが、その一方でデジタル社会の弊害も指摘されている。デジタル化の進展による情報過多・偏重社会の到来は人間個々人の人生、社会生活の営みにどのような弊害を引き起こすのか、また、その処方箋についてメンタルヘルスカウンセラーの根本和雄氏に聞いた。

解散と「被害」救済は別問題 【宗教と政治】旧統一教会と信仰の自由 元武蔵野女子大学(現武蔵野大学)教授 杉原誠四郎

文部科学省は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し昨年11月22日から5回の「報告徴収・質問権」を行使している。宗教法人法は同権行使について、「信教の自由を妨げることがないように特に留意しなければならない」「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」とくぎを刺しているが、解散命令を裁判所に請求するための「証拠固め」(東京新聞)に使われているのが実情だ。月刊誌『Hanada』5月号に「『統一教会』に信教の自由はないのか」と題する論考を寄せた元武蔵野女子大学(現武蔵野大学)教授の杉原誠四郎氏に旧統一教会と信仰の自由を巡る問題について聞いた。

【社説】仏の対中外交 取り込まれることを懸念

フランスのマクロン大統領が中国を訪問し、台湾問題で中国寄りの発言をしたことが波紋を呼んでいる。民主主義陣営が対中包囲網を形成する中、その連携にくさびを打ち込もうとする中国に取り込まれることが懸念される。

【社説】海洋酸性化 危機認識し官民挙げ対策を

大気中の二酸化炭素(CO2)が増え、海水に溶け込む量が増えることによる海洋の酸性化が進んでいる。海洋酸性化は地球温暖化を加速させるばかりでなく、海洋生物に深刻な影響を及ぼすことが懸念されている。官民で対策に本腰を入れて取り組まなければならない。

植田日銀への注文で大規模緩和の副作用指摘も修正を是としない日経

日銀の新総裁に戦後初の学者出身となる植田和男氏が9日付で就任した。10年間にわたり大規模な金融緩和政策を続け、8日に退任した黒田東彦氏の跡を引き継ぐ植田氏にとっては、目立ってきた副作用への対処と正常化を図る「出口戦略」の円滑な実施が最大の課題である。

【社説】衆参5補選 国難への対処策競い審判仰げ

四つの衆院補欠選挙が告示された。参院大分補選、統一地方選後半戦とともに23日に投開票される。とりわけ国政選挙である衆参5補選の勝敗は、岸田文雄首相の政権運営の中間評価としての意味があるとともに、終盤国会での求心力に直結し、衆院解散戦略にも影響する。

【社説】統一選前半戦 維新躍進が示す野党への期待

統一地方選挙の前半戦となる9知事選、41道府県議選、6政令市長選、17政令市議選が行われ、自民党、公明党の与党はおおむね安定した選挙結果を得たが、地域政党「大阪維新の会」と日本維新の会の候補が大きく躍進した。共産、社民は減退し、期待される野党像の輪郭が浮かび上がっている。

高市氏の「資質」指弾する一方、小西氏の「サル発言」には寛容な朝日

統一地方選挙の前半戦も終わり、国会はいわゆる後半国会に入ったが、その国会審議を読売が叱責している。「人口減少など日本が直面している課題や、目まぐるしく動く国際情勢について、実りある審議が行われているとは言えない」と(3日付社説)。

【社説】NTT通信障害 官民挙げて対策強化を急げ

NTT東日本とNTT西日本のインターネット接続サービス「フレッツ光」などが一時利用できない通信障害が発生した。通信インフラの大規模障害で混乱を招いた責任は重い。

化石燃料に代わり「水素」によるエネルギー革命を説くNW日本版

化石燃料に代わるエネルギー開発は世界共通の課題だが、ニューズウィーク日本版3月21・28日号の特集「グローバル企業に学ぶSDGs」の中で「電力会社が挑戦する水素社会」の記事は、「世界は今まさに地球規模のエネルギー転換の時代を迎えようとしている。19世紀の産業革命以来の大変革が迫っている」と始まり、次代のエネルギーの主役は「水素だ」と断じている。

【記者の視点】過激化するLGBT教育 小6に女装パフォーマー授業は「虐待」?

LGBT(性的少数者)の当事者が誇りを持って生きていける社会を築こうとの趣旨の企画「東京レインボープライド」が22、23の両日、東京・代々木公園で行われる。その中心行事は最終日に行われる「プライドパレード」。

【社説】安保強化支援 地域全体の抑止力向上を

地域の安全保障協力を深めるため、政府は友好国・同志国の軍に防衛装備品などを供与する「政府安全保障能力強化支援」(OSA)の枠組みを創設し、その実施方針を決めた。地域全体の抑止力を向上させる必要がある。

元気な農家に焦点を当てて日本農業の活路を紹介するダイヤモンド

このところの物価高で困窮しているのは消費者だけではない。資財や燃料価格の高騰で生産コストの上昇を強いられる生産者も厳しい状況に置かれている。とりわけ、農業を取り巻く環境は深刻だ。コメ農家に至っては米価低迷と肥料高騰のダブルパンチを食らい、経営が立ち行かないと離農するケースも増えている。それでなくとも農業従事者の高齢化、後継者不足といった問題を抱えるのがわが国の農業だ。

【社説】米台会談 総統選にらみ連携強化を誇示

台湾の蔡英文総統と米国のマッカーシー下院議長(共和党)が米国のカリフォルニア州で会談し、米台の連携強化で一致した。米大統領の権限継承順位2位の下院議長と台湾総統が米国内で会談するのは米台断交後初めて。会談には民主党議員も参加し、超党派で行われた。

【持論時論】老病死の高齢期をどう生きるか―香川県の称讃寺住職・終活支援団体「わライフネット」代表理事 瑞田 信弘氏に聞く

浄土真宗の称讃寺住職をしながら終活支援団体を立ち上げ、公民館などで終活について語り、NHKカルチャーセンターで仏教講座を担当している瑞田信弘さんが、女優の中村メイコさんと宗教学者の山折哲雄先生に話を聞いて『死に方の流儀』(アートヴィレッジ)を出した。その要点を取り上げ、高齢期の自分らしい生き方、死に方について聞いた。

【社説】3月日銀短観 消費回復へ賃上げの波及を

原材料価格が高止まりする中、海外経済の減速が追い打ちとなり、企業心理の悪化に歯止めが掛からない――3月の日銀全国企業短期経済観測調査(短観)が示した大企業製造業の現況である。

中国がぶら下げたニンジンの赤い野心が見抜けない毎日、日経

3年3カ月ぶりの外相訪中となった。林芳正外相は、北京で秦剛外相や李強首相と会談。各紙は一斉に社説で論じたが、中国認識がいびつで大局観に欠けるものが目立った。

【社説】NATO北欧拡大 露の侵略に決然とした措置だ

北欧のフィンランドが北大西洋条約機構(NATO)に正式加盟し、NATOは31カ国体制となった。ロシアがあからさまにウクライナを侵略して軍事的脅威を高めた結果であり、加盟申請から1年未満の素早さで加盟が実現したことは、欧米の加盟国がロシアの軍事力行使を許さず決然と対抗していく結束を示したと言える。

【社説】小西氏「サル」発言 資質問われる言語道断の言動

立憲民主党の小西洋之参院議員が、衆院憲法審査会の毎週開催について「サルのやること」などと発言した。70年以上前に施行された日本国憲法は、現在の内外情勢に対処するための改正が喫緊の課題となっている。そのための論議を貶める発言は、国会議員としての資質が問われる言語道断の言動だと言わざるを得ない。

教科書検定、道徳に反発する朝日 「国や郷土愛する」に「息苦しい」

来春から使われる小学校教科書の検定結果を文部科学省が公表した。今回の特徴は、児童生徒に1人1台の情報端末の配備がほぼ完了したことを受け、全11教科の教科書にQRコードが掲載されたことだ(本紙3月29日付)。それが「デジタル時代の教科書」というわけだが、それによって「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)は進むか、疑問もある。

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