オピニオン
【社説】東名4人死傷 官民挙げてあおり運転防止を
神奈川県大井町の東名高速道路で2017年6月、「あおり運転」で停止させられた乗用車にトラックが追突し一家4人が死傷した事故の差し戻し裁判員裁判で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)罪などに問われた石橋和歩被告に対し、横浜地裁は求刑通り懲役18年の判決を言い渡した。あおり運転の危険性を改めて胸に刻みたい。
【社説】北のミサイル 日本は早急に反撃能力保有を
北朝鮮は、首都平壌の順安付近など複数の地点から短距離弾道ミサイルを日本海に向けて発射した。韓国軍の発表では4地点から8発を発射。日本政府も3カ所以上から少なくとも6発が発射されたことを探知した。今年に入り17回目の発射で、1回のミサイル発射としては過去最多となる。
安易な「停戦論」を展開する朝日 身内からは批判
1カ月前の話だが、朝日5月6日付1面トップにウクライナの国連大使セルギー・キスリツァ氏のインタビュー記事が載った。同氏は今年1月以降、国連安保理で15回、総会で3回演説し、国際社会に助けを求めたが、2月末にロシアの軍事侵攻を許したとし、「ロシアによる国際秩序の破壊を許せば、日本の周辺が次の戦場になる可能性もある」と警鐘を鳴らしている。
【社説】出生率1・30 少子化対策の抜本的見直しを
出生率の低下に歯止めがかからない。厚生労働省が発表した2021年の人口動態統計によると、1人の女性が生涯に産む子供の推計人数を示す合計特殊出生率は6年連続の減少で1・30だった。少子化対策の抜本的見直しが必要だ。
連合赤軍事件50年、革命思想の危険性“総括”しなかった大谷氏
今年は、あの「連合赤軍事件」から50年。武力革命を目指したメンバーが起こした「あさま山荘事件」では、警察官2人と民間人1人が死亡。また、あさま山荘事件の逮捕者の自供で明らかになった「山岳ベース事件」では、メンバー29人のうち、身重の女性を含む12人が「総括」と称した集団リンチで殺害された
【社説】太平洋島嶼国 中国の覇権主義を抑えよ
中国の王毅国務委員兼外相が南太平洋の島嶼(とうしょ)国を歴訪した。バイデン米政権が構築を目指す「対中包囲網」を切り崩すため、太平洋諸国との関係を強化することが狙いだ。中国の覇権主義的な動きを抑えるため、日米両国などはこうした国々との連携を深める必要がある。
教職をブラックな職場と決めつける経済評論家だが解決案は見えず
既にここ数年、政府の働き方改革の中で、教職現場の厳しい状況について、さまざまな議論がなされてきたが、経済ジャーナリスト・荻原博子氏は連載「幸せな老後の一歩」(サンデー毎日5月22日号)で「『ブラック』な職場で若者離れが進む日本の教育現場」と題し
ある俳人の肖像 芸術の根には家庭的価値が
「沖」を主宰する俳人の故能村(のむら)登四郎(としろう)に、最初に取材させてもらったのは、1976年5月のことで、『定本 枯野の沖』が出されて間もなくの頃。俳句についての考えや、句集ごとに変化する課題を聞いていくうちに、俳句の魅力に誘われていった。
静寂のトゥクトゥク タイから
タイらしい乗り物の代表に、三輪タクシーのトゥクトゥクがある。座席は3人掛けソファー一つのみ。屋根は付いているものの、ドアもなければ窓もない。ということは冷房はなく、バンコク中の排気ガスと熱気をまともに受けてしまう。
写真の力信じて 町おこし―新潟県新発田市の吉原写真館6代目 吉原 悠博さん
新潟県新発田市の吉原写真館6代目、吉原悠博(ゆきひろ)さん(61)は、市民有志と写真文化プロジェクト「写真の町シバタ」を立ち上げて今年、11年目を迎える。130年以上の歴史を持つ写真館の経営、写真を通じての地域活性化、また創作活動にも意欲的だ。「この三つが、私のアーティスト活動」と語る吉原さんに、写真と故郷を見つける思いを聞いた。
【社説】泊原発差し止め 適合審査中で理に適わない
札幌地裁が北海道電力の泊原発3基の運転差し止めを命じた。「津波に対する安全性の基準を満たしていない」(谷口哲也裁判長)というのがその理由だが、当の原発が原子力規制委員会の新規制基準適合審査を受けている最中に下された理に適(かな)わない判決だ。
極秘資料「新疆公安ファイル」をスクープするも詰めが甘い毎日
中国が2017年ごろ、新疆ウイグル自治区に強制収容所を造り、100万人以上のウイグル人に同化政策を強行してきたとされる問題で、毎日とNHKが5月下旬、目の覚めるようなスクープを飛ばした。
【社説】ウイグル内部資料 国連は人権弾圧本格調査を
国を超えて人権擁護の先頭に立つべき国連が抑圧者の宣伝に利用された。バチェレ国連人権高等弁務官の中国・新疆ウイグル自治区視察は、そんな結果しか残さなかった。中国の人権弾圧に対して国連による本格的な調査が求められる。
【社説】米国務長官演説 対中包囲網の形成を急げ
ブリンケン米国務長官はワシントン市内でバイデン政権の「中国戦略」について演説し、「中国は国際秩序をつくり変える意図と実行する経済的、外交的、軍事的、技術的な力を持つ唯一の国だ」と強調した。
自らを英雄とする凶悪犯に各紙は独善的論理を展開
国際テロ組織「日本赤軍」の重信房子元最高幹部が懲役20年の刑期満了で出所した。新聞報道を見ると、「反省伝えること 自らの役割」(朝日28日付夕刊)「『被害与え、おわび』 短歌に思い 獄中で9000首」(産経29日付)と、左右を問わず反省の弁が紙面を覆っている。
【社説】首都直下地震 一層の対策で被害最小化を
東京都は首都直下地震などによる被害想定を10年ぶりに見直し、都心南部でマグニチュード(M)7・3の直下型地震が発生した場合、都内の死者は最大で約6100人、揺れや火災による建物被害は約19万4400棟に上ると推計した。
【社説】重信元幹部出所 過激派の武装闘争を忘れるな
1974年のオランダ・ハーグの仏大使館占拠事件で有罪判決を受けた国際テロ組織「日本赤軍」の重信房子元最高幹部が、懲役20年の刑期を満了して出所した。日本赤軍をめぐっては、世界各地で起こしたテロ事件に関与したとして国際手配されたメンバー7人が逃亡を続けている。引き続き警戒が必要だ。
女性記者を送り込む大手メディアの狙い(文春)、マスクの社会の弊害(新潮)
7月の参院選で与党が勝てば、向こう3年間(次の衆院任期満了まで)は国政選挙がないだろうと言われている。野党の体たらくもあり、安泰ムードが漂っているが、唯一、不安材料があるとすれば、細田博之衆議院議長の「セクハラ」問題だ。
【社説】国連安保理 容認できぬ中露の拒否権乱用
国連安全保障理事会が、北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け対北朝鮮制裁を強化する米国主導の決議案を採決したが、常任理事国の中国とロシアが拒否権を行使して否決された。



