メディアウォッチ

陰謀論のメカニズム

昨年10月、『陰謀論』(中公新書)を上梓した京都府立大学准教授の秦正樹が月刊「潮」4月号に論考「『陰謀論』を信じやすい人、回避できる人」を寄せている。秦によれば、陰謀論は「『重要な出来事の裏(うら)では、一般には見えない力がうごめいている』と考える思考様式」と定義できるという。

サウジ・イラン関係修復 中国仲介に天然ボケの毎日、俯瞰する日経

長年、敵対関係にあったサウジアラビアとイランが10日、外交関係修復で合意した。2カ月以内に双方の大使館を再開するという。仲介したのは中国だった。驚かされたのは、これだけのビッグニュースが、公表されるまで一切表に出なかったことだ。

沖縄県の「辺野古」敗訴、不承認時は大騒ぎしたのにお茶を濁す朝日

沖縄県が「辺野古裁判闘争」で敗訴した。これまでの訴訟でもことごとく敗訴している。今回は設計変更の承認を巡るものだが、玉城デニー知事は懲りずに上訴を検討する考えを示している。これには税金の無駄遣いと呆(あき)れる県民は少なくないはずだ。沖縄県の裁判闘争への疑念が一層、深まっている。

分かりやすく「チャットGPT」紹介も「偏向」の危険性指摘甘いアエラ

地域貢献の一環として中学校で1年生を対象にした「職業人に聞く」という授業の講師を毎年行っている。今年は「新聞は“オワコン”と言われている」「将来AI(人工知能)が記事を書き、新聞のレイアウトまでしてしまう」という身もふたもない話をしてしまった。

廃炉処理水放出の前に福島県知事ら風評対策万全求めた「日曜討論」

東日本大震災から12年の節目を迎え、地震・津波災害からの復興は進むが、なおも難題を残しているのは福島第1原発事故による原子力災害だ。廃炉作業は続いており、作業で生じる放射性物質を含んだ汚染水を処理したALPS処理水の貯蔵は限界に近づいている。

共産党の迷走論じる「公明」

公明党の月刊機関誌「公明」3月号と4月号は、「迷走する日本共産党の自衛隊政策」と題し共産党の自衛隊に関する主張の変遷について上下に分けて取り上げた。今までの党綱領や共産党機関紙「赤旗」の過去記事、元共産党員らの著作などから、共産党の自衛隊に対する認識、また主張の変遷から窺(うかが)える同党の体質について論じている。

ローカル線再編「自由民主」解説

自民党機関誌「自由民主」(2・28)の1面は、「持続可能な交通網へ再構築」の見出しで、利用者が少なく赤字が続くローカル線の再編について取り上げた。

新型ロケットH3失敗で問題広げ過ぎの論調の多い中、妥当な読売

日本の宇宙開発にとって「深刻な事態」(8日付朝日)、「大きな打撃」(同日経)、「日本の宇宙開発に及ぼす影響は甚大」(同毎日)、「日本の宇宙開発における『最悪の失敗』と、位置付けざるを得ない」(同産経)――。

総務省「行政文書」 何がなんでも安倍氏の業績を葬りたい左派3紙と一部野党

「政府がメディアに対する干渉を不当に強め、国民の生活や思考の基盤となる情報を統制しようとしているのではないか」(朝日12日付社説)「放送の自律をゆがめ、表現の自由を委縮させかねない政治介入があったことになる」(毎日8日付社説)「放送番組への露骨な政治介入」(東京9日付社説)。

長期化する露ウクライナ戦争、中国の動きを注視するエコノミスト

近年、インドをはじめとしたグローバルサウスに所属する国々に注目が集まっている。グローバルサウスとは元来、冷戦時における発展途上国いわゆる「第3世界」に取って代わる名称だったが、このところ国際社会において発言力を高めつつある。ロシア・ウクライナ戦争が長期化する中で、独自路線を取るグローバルサウスに対して、欧米・ロシアさらに中国が陰に陽に働き掛けを強めている。

尹大統領の対日融和姿勢

韓国の尹錫悦大統領が3・1独立運動記念日の祝辞で日本を「協力パートナー」と呼び内外に衝撃を与えた。日韓関係を戦後最悪にした前の文在寅政権の対日姿勢からみれば大きな転換だ。いくら保守政権だといっても、こと日本に関しては保守も左派もないのが韓国だが、尹大統領の対日姿勢転換には何があったのだろう。

ポンペオ回顧録を読み解く

トランプ米政権で国務長官を務めたマイク・ポンペオ氏が回顧録を出し、その中で衝撃的な暴露話をしている。北朝鮮の金正恩総書記が中国のことを「嘘(うそ)つき」呼ばわりしたというのだ。

日本学術会議のダブルスタンダードに目をつぶる朝日、東京

2020年秋の菅義偉首相(当時)による日本学術会議会員の任命拒否問題から約2年半。今年10月に会員の半数が改選を迎えようとしている中、政府は今国会で、会員選考に際して第三者委員会を設置することなどを柱とする日本学術会議法改正案の提出を目指している。これに対し、学術会議側は「独立性を侵害する」と真っ向から反対している。

沖縄返還の日米密約 密かに情を通じ入手した文書、報道倫理には誰も触れない

元毎日記者、西山太吉氏が亡くなった。沖縄返還交渉(1972年)を巡る日米間の密約問題で話題になった人である。氏の訃報を大半の新聞は「沖縄『密約』報道」(読売2月26日付)と「報道」と書いている。本欄で何度か指摘してきたことだが、報道した事実はない。新聞が「密約報道」と書くのは虚偽である。亡くなった人を鞭(むち)打つ気は毛頭ないが、ことは新聞の報道倫理に関わる。

LGBT理解増進法 保守派の反対意見は復古主義に過ぎないと「報道1930」

埼玉県富士見市議会議員、加賀ななえが先月末に投稿した3分ほどの動画が波紋を広げている。同県では昨年6月、「性の在り方が男女という二つの枠組みではなく連続的かつ多様」と謳(うた)った、いわゆるLGBT理解増進条例が成立した。

「核武装の勧め」を笑うことができない現実の世界を描くNW日本版

ロシアのウクライナ侵攻から1年が¥ルビ(¥ルビサイズ(4.5P)経,た,,,0.10mm,0,しない)った。ウクライナ戦争から世界が学んだことは、核保有国が非保有国を攻めた場合、誰も手出しできないという現実だった。これを目の前にして、各国は外交や安全保障政策の再点検に入ったことだろう。

打ち上げ中止となった次期基幹ロケットH3の意義認め再起促す各紙

新型ロケット「H3」の打ち上げは、主力エンジンに予定通り着火したものの、固体補助ロケット(SRB)には着火せず、中止となった。

「抑止力」の文言がどこにもない左派紙 ウクライナ侵攻1年の社説

ロシアのプーチン大統領によるウクライナ軍事侵略から1年が経(た)った。戦火は今なお続いている。日本はそこから何を学ぶべきなのか。教訓は少なからずあった。おさらいすれば、こうである。

核融合開発で10ページ大特集のNW日本版、米中のつばぜり合いか

科学技術の一つ「核融合」が、今日、世界のエネルギー需給の乱調、またクリーンエネルギー待望論の中で、社会、経済トピックの中にも織り交ぜられ、しばしば取り上げられるようになった。ニューズウィーク日本版2月21号は「夢のエネルギー・核融合知っておくべきその現在地」と題し特集を組んでいる。

ウクライナ避難民と戦場の家族をクリスマスで結んだNHKBS1

ウクライナにロシア軍が侵攻して1年になる。国際関係がより密接になっていく時代の中で、時代錯誤も甚だしい侵略戦争が起きたが、インターネット、携帯端末が普及しており、戦地の様子はそのまま発信されている。日本人の体験した戦争の記録はモノクロ映像で、古さが余計に記憶の距離を広げているが…。

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