山上被告への同情煽り「第2のテロ」誘発させたワイドショーの“罪”

報道の在り方検証を

では、テロ報道はどうあるべきか。その手掛かりとして、国際政治学者の細谷雄一氏がツイッター(18日)で発したコメントを紹介する。

「テロリズム研究では、テロリストの犯行の背景を理解しようという姿勢自体が、テロリストの目的達成を幇助(ほうじょ)するということが一般的理解」

この常識からすれば、山上被告をモデルにした映画が制作され、それを「朝日新聞」あたりが宣伝することは何を意味するのか、分かろうというもの。ジャーナリストの鈴木エイト氏は5月、『山上徹也からの伝言』と銘打った本を出すそうだが、テロリストからの伝言などは、伝えても耳を傾けてもならないのである。第2のテロ後も、ワイドショーは犯行の背景説明を行うという形で、容疑者の言い分を伝える番組作りをしている。すべてのテレビ局は「第3の事件」を防ぐためにも、早急にテロ事件報道の在り方を検証すべきだ。

(森田清策)