高市氏の「資質」指弾する一方、小西氏の「サル発言」には寛容な朝日

稚拙さが浮き彫りに

それにしても「課長補佐」の権力とはいかほどのものなのかと思わせる。役人根性には俗説に「威張りたがる」というのがあるが、小西氏は政治家になって10年以上も経(た)つというのに今も「課長補佐」を威張っている。政治家を「サル」呼ばわりするほどの偉さなら、「総務省文書」はにわかに怪しくなってくる。大臣もバカにして「こうしておけ」と捏造(ねつぞう)していても不思議でなくなる。そんな疑念が小西発言で浮かぶが、それにもかかわらず朝日は官僚無謬論を振りかざすように高市氏を追及している。

朝日は国土交通省の元事務次官が民間会社の人事に介入した「天下り」疑惑をすっぱ抜いたが(3月30日付)、事務次官という官僚トップも課長補佐の時代があったはずである。小西課長補佐がそのまま出世していけば、どんな高級官僚になっただろうか。皮肉にも朝日のスクープは小西氏そして立憲民主党の高市氏追い落としの稚拙さを浮き彫りにした。

(増 記代司)