米の影響力低下必至
湾岸諸国はイスラエルの右派政権から距離を置き、「抜け目のない中国の外交」もあり、米・イスラエルの湾岸での影響力低下は必至だ。
リッター氏は、「世界の地政学全体の軌道に構造的な変化」をもたらす可能を指摘する。
近年も新興5カ国で構成するBRICSの経済的台頭が進んでいる。中国はその一員だ。リッター氏は、BRICSの国内総生産(GDP)はすでに先進7カ国(G7)を超えたと指摘、イランはBRICS加盟を申請しており、サウジも加盟の意向を示している。
リッター氏は、一帯一路を通じて中国のインフラ投資が進めば、サウジ・イラン融和による経済協力が、「数十年間にわたって中東情勢を決定づけてきた米国主導の軍事関係に取って代わる」可能性があると訴える。そうなれば、日本がエネルギー供給を大きく依存する湾岸は、中国の影響力を大きく受けることになる。
(本田隆文)



