少子化の原因について日本の“線”型家族の弊を論じる山口真由氏

「少母化」現象が進む

もう一つ、少子化関連で週刊朝日3月10日号のジャーナリスト河合雅司氏の「もう止まらない日本の人口減少/『社会の縮小』前提に備えよ」。「(岸田政権は子育て支援策の強化を打ち出したが)これまでの出生数減によって子供を産める年齢の女性数が激減していくという『不都合な未来は変えようがない』」と恐るべき指摘をしている。その対策は書かれてないが、少子化対策など一連の政治的布石だけでは足りない。

「21年に誕生した子供の母親の年齢の85・8%が25~39歳で…943万6千人」。「これに対し25年後には…710万5千人で24・7%も少ない」「短期間にここまで『少母化』が進んだのでは、出生率が多少上昇しても出生数は減り続ける」と。

今は聞かないが、以前「子供を産まないのは時代の流れで成熟社会の証し」など一部評論家の言いたい放題で、少子化社会への移行を勢いづかせた。逆に「多産は希望だ」という社会的機運を何とかつくり出せないか。大手メディアが大キャンペーンを張るのが近道だろう。

(片上晴彦)