問われるG20不参加
今月2日にインド・ニューデリーで20カ国・地域(G20)外相会合が開催された。そこでは大半の国がロシアのウクライナ侵攻を非難したものの、共同声明は採択せず、議長総括で終わってしまった。ロシアと中国が同意しなかったことによるものだが、何よりも問題なのは日本の林芳正外相がこの会議に参加しなかったことである。
グローバルサウスと呼ばれる国々はロシアのウクライナ侵攻には批判しながらも、自国の経済的な事業を抱えて対露制裁に踏み切ることが難しい。そうした国々に働き掛けながら日本と同じ価値観を共有するよう働き掛けていくのが日本外交の使命であり方針であるとすれば、ロシアによるウクライナ侵攻から1年目の節目、今なお熾烈(しれつ)な戦いが繰り広げられている中、停戦交渉を進めるために出席するのは当然のこと。それを欠席するのは同外相の外交感覚が鈍過ぎるといわれても仕方があるまい。
(湯朝 肇)



