露外相のアフリカ歴訪、スーダンへの軍事拠点構築に英サイトが警鐘

紅海への影響力拡大

中東系の英ニュースサイト、ニュー・アラブは、「アフリカに浸透するロシア―スーダンは戦略的獲物」と、ロシアのスーダン進出の戦略的意味を強調した。

米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)アフリカ計画の上級顧問キャメロン・ハドソン氏は、「ロシアはすでに、マリと中央アフリカに強い基盤を持っているが、スーダンとの関係を深めることで、これらの拠点をつないで影響力の弧を形成できるようになる」と指摘、アフリカ北西部マリから中央アフリカ、西部のスーダンにかけてのロシアの影響力拡大に懸念を表明している。

英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の準研究員サミュエル・ラマニ氏も、「スーダンは(ロシアにとって)この地域で最も重要なパートナーだ」と指摘する。

ニュー・アラブは、ロシアは冷戦の終結によって、エチオピア、南イエメンといったソ連時代の友好国を失い、以来、「紅海、アフリカの角でのプレゼンス再興の機会を探していた」と主張、ロシアはインド洋と地中海をつなぐ戦略的要衝である紅海への影響力拡大を狙っていると指摘する。

ロシアは17年に紅海岸のポートスーダンに海軍基地を建設することで合意していた。25年間の租借で、ロシアの原子力船の入港を認めるものだ。バイデン米政権の圧力で21年半ばから凍結されていたが、ラブロフ氏の訪問で、この合意の実行への進展があったことが伝えられている。

ハドソン氏は、ポートスーダンにロシア海軍基地ができれば、「ロシアはアラビア海、インド洋への影響力を獲得し、アフリカ全体へのネットワーク構築にも貢献する」と訴えている。