日韓トンネル構想を献金問題に結び付け1面トップで報じる毎日

事件後から悪事扱い

ところが、新聞ことに全国紙はこの構想を一顧だにしなかった。それが安倍晋三元首相の銃撃事件後、反教団キャンペーンの一環で悪事のように報じている。朝日は昨年9月、「献金集めに利用されていた」として学者らに関係断絶を迫ったが、今年に入って毎日は11、12日付の2日にわたって1面トップで報じた。

「九州に46万平方メートル取得 信者の多額献金使用か」(11日付)「(教祖)発言録に記述 100億円投入」(12日付)などと、もっぱら献金問題に結び付け、反教団ジャーナリストや弁護士らの「教義拡大に利用」「献金集めの口実」といった批判コメントを載せた。

記事には同構想が戦前の日本に存在し、大手ゼネコン「大林組」が研究していたこともあり、朝日より“丁寧”ではある。悪名は無名に勝ると言うから、「日韓トンネル」構想には“朗報”かもしれない。

巨大プロジェクトについてインドの初代首相ネルーは1954年、ヒマラヤ山脈の麓にあるバグラ・ダムの建設現場を訪れた際、「夢を追求し、それに具体的な形を与えることほど勇気づけられるものはない。何千もの人々が血と汗を流し、生命をも投げ出して働いている。こんなに尊く神聖な場所が他にあるだろうか」と語り、これを「新時代の神殿」と呼んだ(『巨大プロジェクト』講談社刊)。