共産の革命路線 赤旗・公明新聞

「敵の出方論」廃棄か否か

政府は6日、日本共産党について「いわゆる『敵の出方論』に立った暴力革命の方針に変更はない」とする答弁書を閣議決定した。日本維新の会の鈴木宗男参院議員の質問主意書に答えたもので、日刊機関紙を持つ公明と共産がこれに触れ、各々の見解を示している。

共産党機関紙「しんぶん赤旗」は9日付4面に、「岸田内閣答弁書 『記念講演は承知』といいながら…/『暴力革命』論繰り返すお粗末」の囲み記事を掲載。公明党機関紙「公明新聞」は15日付2面の「編集メモ」欄に「志位氏の『総決算的反論』も『共産の暴力革命は不変』と政府」の記事を載せた。

質問主意書は、日本共産党が、相手の出方によっては非平和的手段も辞さないいわゆる「敵の出方論」を採用し、暴力革命の方針を持っているとの政府の認識に変化がないか尋ねるもので、政権交代や内閣改造などの折に触れて提出されている。直近では11月25日付で出されており、この質問主意書では、志位和夫同党委員長が9月に行った、党100周年記念講演の内容を踏まえて改めて政府見解を尋ねた。

志位氏の講演内容というのは、「私たちがいかに暴力革命と無縁であるかということを歴史の事実に照らして詳細に話した」(田村智子政策委員長)もの。質問主意書では、この講演内容を承知しているかも尋ね、政府は「承知している」とした。

政府答弁書めぐり見解示す

これに対して、赤旗は「あぜんとします」「一体、どこを読みどう理解したのか」と猛反発。志位氏もツイッターに「『日本共産党は暴力革命と無縁』とあれだけ丁寧に話したのに理解能力がないのか、理解しようとしないのか」と投稿している。

一方、公明新聞は志位氏の講演について「同党の暴力的破壊活動の責任逃れを図る言説を長々と述べたものだ」と断じた。また小池晃書記局長の「(「敵の出方論」の)表現そのものを党として廃棄している」との反論に対して「『廃棄』したのは『表現』に過ぎず、『敵の出方論』そのものは廃棄していない」との見方を示した。

いずれにしろ、現在も暴力革命を実行する可能性があるとして、共産党は破壊活動防止法に基づく調査対象団体に位置付けられている。その見方を覆すには、共産党の「説明」は不十分だと判断されたということだ。

(亀井 玲那)