円安ドル高いつ解消
問題は、新型コロナウィルスによる感染拡大がいつ終了するのか、あるいは物価高、円安ドル高がいつ解消されていくのかということ。それについて週刊エコノミストは民間調査機関のエコノミストを登場させ持論を展開させているが、案の定、円ドル相場一つ見ても「貿易赤字の円全面安は続く」(唐鎌大輔・みずほ銀行チーフエコノミスト)、「ドル独歩高にピークアウトの兆し」(高島修・シティーグループ証券チーフFXストラテジスト)などさまざまな見解があるので、一体どっちなのかというのが正直なところだろう。
そうした中で、クレディ・アグリコル証券チーフエコノミストの会田卓司氏の論文が興味深い。それによれば、これまでの日本を覆っていた構造的なデフレ不況は、企業の過剰貯蓄に原因があると指摘、企業の貯蓄率はむしろマイナスにすべきだと強調する。
「企業は本来、借り入れや株式で資金を調達して事業を行う主体なので企業の貯蓄率は必ずマイナスであるべきだ。しかし、日本は、1990年代のバブル崩壊と金融危機後、企業が規模拡大に後ろ向きとなり、リストラや債務削減を続けてきた。結果、企業の貯蓄率がプラスとなり異常ともいう状態が続いている」とつづり、さらに「(プライマリーバランスの黒字化という)古い財政運営を維持し、黒字化を強行することで再度、ネット(企業支出+政府支出)の資金需要を消滅させれば、家計に所得は回らず新しい資本主義は失敗、デフレ構造不況から脱却できなくなる」と警告する。
政府が投資環境構築を
会田氏は現在の物価高(インフレ)は一時的と見ながらも、目標のネットの資金需要は5%程度とし、企業の貯蓄率がプラスである限り財政支出で支えるべきだとする。ただ、何よりも大事なことは教育政策を含めて企業が投資しやすい環境を政府が構築することが大事なことは言うまでもない。
(湯朝 肇)



