ウクライナ侵攻で中立のアルジェリア、親欧米へシフトする可能性

課題は西サハラ問題

一方で、フランスや北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対する不信感も根強く、それが、ロシアとの関係維持の一因となっているという。

その中でも大きな課題は、西サハラの領有をめぐる問題だ。この問題は「アルジェリア外交の意思決定の常に中心にある」と両氏は指摘する。その問題をめぐって対立するモロッコ寄りの姿勢を欧米が取っていることが、ロシアとの関係維持の要因だ。モロッコとイスラエル国交樹立もアルジェリアにとっては脅威となっており、ロシアからの武器購入要因となっている。

ミリンケン、カフィエロ両氏は、「当面は、ロシアを怒らせることなく、西側との地理経済的な重要性を増すことがアルジェリアの国益となる」との見方を示すが、国際関係という点から見れば、侵攻を長引かせることはロシアにとって不利に働くことになりそうだ。

(本田隆文)