新聞を読み解く能力
世論に対して議論と吟味を経て練り上げられたものを「輿論(よろん)」と呼ぶ(佐藤卓己・京都大学教授)。政治指導者は世論に流されればポピュリズムに陥る。だから輿論に腐心すべきである。安倍元首相が常に世論(むろん左翼の)と戦い、輿論をもって国政選6連勝を果たし、平和安保法制などのレガシーを残したのが典型例だ。
だから岸田文雄首相が何をなすべきか明らかだろう。いかなる理由があってもテロを容認しないとの輿論を起こすことだ。岸田首相にそれがない。代わりに細野氏が語っているように聞こえた。
新聞が「注目の枠組み」で出来事を焦点化すれば、どこかに「盲点」が生じる。そう心得るのがメディアリテラシー(読み解く能力)だろう。
(増 記代司)



