裏切られた胡錦濤氏
しかし胡氏は、今年8月の北戴河会議で、2期10年の堪忍袋の緒が切れたかのように習氏を批判したとされる。一つは、ゼロコロナ政策や今の経済政策が間違っているのではというもの。いま一つは、偏りが目立つ人事を排し、共青団出身の胡春華副首相の政治局常務委員への昇格を求めたという。
だが蓋(ふた)を開けると胡春華氏の最高意思決定機関入りどころか、政治局員でさえない格下の中央委員に蹴落とされていた。胡氏からすると10年越しで裏切られた憤怒を海外メディアが入ってきた機会を利用して見せたというのが実相に近いと思うのだが、朝日は「健康問題による可能性が高い」と中国共産党の広報のような解説記事を書く。
(池永達夫)



