耳新しい「宇宙天気」の話題に「気候変動」との関連ほしかったアエラ

仏では「気候不安症」

一方、気候変動の話題で、ニューズウィーク日本版9月20日号「日本は例外?若者の『気候不安症』」という、気になる記事が載っている。今年、異常な気象が相次いだフランスでは、「変動を肌で感じた若者は非常に強い不安を覚えて、無力感や絶望、場合によっては鬱病に近い状態に陥ってしまった」。「気候不安症」と名付けられた症状で、同国では「特に子供や若年層が感じることが多い」という。

その上で、日本人の環境保全に対する意識について「(日本では)地震、津波、火山の噴火や台風は人間の活動が引き起こす現象ではないが、猛暑日が多くなることや大雨などは昔からの災害とは違う。その違いに対する意識が足りないのではないか」と。

自然現象総体に注目

果たして、日本の若者は気候変動に鈍感なのか? 必ずしもそうとは思えない。大学の新卒者の就職先で、環境関連の企業が圧倒的に多くなっていることでも分かる。日本には「水は天からもらい水」という言葉がある。水害などは、人智ではどうにも防ぎようがないと、半ば諦めの気持ちが込められているが、狭い国土で自然と共生する生活の知恵であった。環境保護に絶えず気を使わないと生きられなかった。

今、「宇宙天気」を含めた気象、気候変動による自然現象総体を見据えた地球環境問題を考える時がきていると思う。日本人の活躍が期待されているのである。(片上晴彦)