中露軍事協力を懸念
「中華民族の偉大な復興」をスローガンにして軍事力増強を推し進める中国にとって、世界第2位の軍事大国であるロシアの軍事技術は垂涎の的だ。
とりわけ注意を要するのは、中国がウクライナ問題でロシアに貸しをつくることで、ロシア先進兵器の設計情報や最先端の核技術が中国人民解放軍の手に渡ることだ。
長い中露の確執の歴史の中で、両国の不信の溝は深いものがあるものの、西側諸国という共通の敵を前に手を結ぶというのは地政学的常套(じょうとう)手段でもある。その手の握り方次第では、日本を含めた西側世界の安全保障を脅かすものになり得るという懸念を表明した白書の見解には共感を覚える。
(池永達夫)



