サハリン2でロシアリスク鮮明に、一方でチャイナリスク論ぜぬ各紙

要注意の国防動員法

「サハリン2」問題で各社の危機認識は共通しているが、それに続くチャイナリスクに言及した記事のフォローがない。大手紙が陥っているのは、視野狭窄(きょうさく)という目の病だ。しかし、メディアにとって目配りを誤るということは社会の木鐸(ぼくたく)としてのジャーナリズムの根幹に関わる致命的な事柄だ。目の病がジャーナリズムの生命を奪う「がん」になることがないよう、中国の国防動員法の動向にもしっかりチェックを入れてほしい。

(池永達夫)