
昭和史に残る大事件
今年は、あの「連合赤軍事件」から50年。武力革命を目指したメンバーが起こした「あさま山荘事件」では、警察官2人と民間人1人が死亡。また、あさま山荘事件の逮捕者の自供で明らかになった「山岳ベース事件」では、メンバー29人のうち、身重の女性を含む12人が「総括」と称した集団リンチで殺害された。その凄惨(せいさん)さは、左翼革命運動の異様さを象徴する、昭和史に残る事件である。
当時、筆者は多感な思春期だった。人質となった管理人の妻救出と犯人逮捕のため、警察官があさま山荘(軽井沢)に命懸けで突入する様子を、テレビにかじり付いて見た。その時、「学生たちを引き付ける革命思想とは何か」と、興味が湧いたが、そばにいた祖母が「立派に大学まで入ってバカなまねをするとは親不孝者め。お前があんなまねしたら、家に入れないからな」と真顔で説教するのを見て、「親を泣かすことはできないな」と、我に返ったのを覚えている。
6月2日放送のBSテレ東の「NEWSアゲイン あさま山荘事件から50年~連合赤軍とは何だったのか~」を見て、当時の記憶が蘇(よみがえ)った。ジャーナリストの大谷昭宏がリポーターとなって、警察から追い詰められた連合赤軍の残党5人が人質を取って立てこもったあさま山荘や、集団リンチの現場となった榛名山(群馬県)などを訪ねながら、凄惨な事件を振り返るドキュメンタリーだ。



