「教師の日」制定提言
記事は、現状告発が趣旨のようで、その解決案は特に書かれていない。問題として提起した「保護者による苦情の対応」いわゆるモンスターペアレント出現は厄介で、簡単に収まらないと思う。「書類作成の事務の忙殺」については、地域の教育機関が一致して減らす方向を取れば時間はかなり減らせよう。
ただし「労働時間」という考え方が前面に出過ぎているように思う。学校教育、特に義務教育の場合、国家に有為な人材育成という目的と願いがある。その対象の子供たちを扱う現場の教員の働きに対し、主に生活手段としての経済行為の基準を当てはめるのはやはり無理がある。
荻原氏の両親が教員で、「父母は担当する子どもが頑張って育っていく姿に喜びと誇りを感じていたので、苦にならなかったようです」「(後に)起業した父を部下として支え、身を粉にして働いてくれたのは教え子たちでした」と明かしている。教職問題解決も、ここにヒントがあると思われる。
例えば、教師OBらでつくる一般社団法人全国教育問題協議会は先ごろ、岸田文雄首相に提出した教育政策の要望書の中で、第一に「教師の日」制定を求めた。「教育の原点は、生徒が教師を尊敬出来るかどうかということ」。そのためには教師の資質の向上、教師間の切磋琢磨(せっさたくま)の重要性は言わずもがなだが、「国民が教師を尊敬し、教師の人達も国民からの期待に応えるという社会が健全な社会だ」と。父の日、母の日と同様「教師の日」を制定し、国を挙げて人づくりの重要な営みを取り組むよう切望している。ぜひ実現したい。



