若いリーダーが転換
スタジオでコメントした法政大学名誉教授・田中優子氏も、「安全を守るだけでなく軍事的に侵略していくかも知れない枠組み」だと述べ、主権国家として「ただのみ込まれるのでなく日本も憲法を持った日本として考える必要がある」と主張。藪中、田中両氏はもっぱら日本の枠組み参加に釘(くぎ)を刺していた。
「PIVOT」チーフSDGsエディター・竹下隆一郎氏は、「湾岸戦争の時、日本はお金は出すけど何もしないじゃないかと国際的な存在感を高められなかった。それがトラウマとなって防衛を少しずつ変化させてきた」と振り返り、今回のウクライナ侵攻で「防衛観の世代交代が起きるのか」を注目点に挙げた。
竹下氏は北欧2カ国のNATO加盟申請も、「新しい政治リーダーが出てきて転換している」と世代交代で捉えた。フィンランドのマリン首相が今月来日し、NATO加盟方針をめぐる発言とともに1985年生まれの若き女性首脳として注目されたばかりだ。ゼレンスキー大統領は78年生まれの40代。SNSを駆使し侵略に毅然(きぜん)と立ち向かい、その「共感」は瞬く間に世界に広がった。竹下氏は、参院選で「シニアの方々だけでなく若い世代を巻き込んだ議論が必要ではないか」と訴えたが、主要焦点となろう。
同じく世代交代による変化と見る「World Road」共同代表の平原依文氏は、北欧2カ国の同時加盟申請は「協力型外交の末の決断」と指摘。枠組みが幾つもあるブロック化は、「決断力を分散させて社会課題の解決のスピードを上げる」ものと評価し、それが「世代交代した若いリーダーが意識していることだ」と強調した。



