インタビュー

共に勝利なき戦争 長期化も 【ウクライナ危機 識者に聞く】

現在、東部地域で一つのヤマ、天王山的な戦闘が起こっている。この戦闘の行方が早期に見えてきた場合には、かなり大きな事情変更になる。今回の侵略戦争について、おおむね軍事専門家はウクライナの敗北不可避と言い、歴史家はロシアの敗北不可避だと言っている。私は両方とも正しいと思っている。

国連の戦争抑止“首の皮一枚”に 【ウクライナ危機 識者に聞く】

ここまであからさまに主権国家が別の主権国家に侵略行為を行う国際法違反が行われたことは極めてまれだ。1945年に国際連合憲章体制ができてから戦争がなくなったことはないが、ほとんどの戦争は主権国家同士の戦争ではない。

説話文学に見る日本人の信仰―市谷亀岡八幡宮司 梶謙治氏に聞く

ウクライナ戦争で再認識させられのは、人類はまだ宗教・思想の対立を克服していないこと。日本の歴史を振り返ると、基層信仰である神道の上に普遍的な唱導宗教である仏教を受容したが、不思議に長い期間にわたる厳しい対立は起きず、神仏習合という世界的にも珍しい信仰を形成してきた。その歴史と意味について、説話文学に詳しい市谷亀岡八幡の梶謙治宮司に聞いた。

「家庭応援条例」の狙い

岡山県議会は2月定例議会で、保護者が家庭教育を安心して行えるよう、社会全体で支えることを定めた「家庭教育応援条例」を可決した(4月1日施行)。同様の条例を制定したのは10県目。提案した自民党県議団で、素案の作成から成立まで中心的に関わってきた福島恭子議員に、条例の狙いなどについて聞いた。

助け合いでつくる防災像 消防は災害時の砦、求められるスピードと判断力

大規模な災害が国内外で続いており、防災意識が高まっている。元消防官で現在、災害危機管理アドバイザーとして活動している加藤孝一さんは、自身の体験をまとめた「災害エッセイ ある消防官の見聞録」(近代消防社)を出版。災害現場でのリアルな体験談に込められたメッセージについて話を聞いた。

露、欧米とも誤算が招いた侵攻 【ウクライナ危機 識者に聞く】

プーチン大統領なりの計算があったと思う。つまり、「米国は現在、中国との戦いに資源を集中したいはずだ。今なら米国は二正面対立を避けるため、ロシアに妥協するはずだ」と考えたのだろう。

露で粛清恐れクーデター画策も 【ウクライナ危機 識者に聞く】

戦争に反対している新興財閥の例を挙げれば、アルミ生産大手ルサルの元CEOデリパスカ氏、ロシア石油2位ルクオイルのアレクペロフ社長、ロシア4位の銀行アルファバンクなどを傘下に収めるアルファグループの創業者フリードマン氏、2020年にロシア1位の富豪だったポターニン氏(インターロスグループ会長)などだ。

仲介で国際的優位狙う中国 【ウクライナ危機 識者に聞く】

中露は互いに国益上譲れないウクライナの位置付けをめぐり、対米戦略上「中露蜜月」イメージを壊さない範囲で、水面下での静かな攻防を繰り返してきた。

露、“親中”政権の排除も 【ウクライナ危機 識者に聞く】

ロシアのプーチン大統領が始めたウクライナ侵攻を語る上で、中国・ウクライナ関係はぜひ押さえておく必要がある。プーチン氏には北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大阻止や親露政権の樹立だけが目的なのではなく、中国の習近平政権と親しいウクライナ政権は排除するという隠された目論(もくろ)みがある。

奈良の花歩き 万葉の花研究家 片岡 寧豊さんに聞く

桜前線が日本列島を北上し始めると奈良に行きたくなる。歴史的な寺社の風景に、時代を超えて変わらない花々が彩りを添えるからだ。万葉の時代から、日本人は秘めた思いを花に託し、歌を詠んできた。春が深まりゆく4月から5月、奈良の万葉花歩きの楽しみを、奈良市在住の片岡寧豊(ねいほう)さんに聞いた。

日米で対中核抑止の議論を 【ウクライナ危機 識者に聞く】

中国はいくらか難しい立場に置かれている。多くの問題においてロシアの側に付いているが、一方で欧米との間に重要な利害関係を持つ。過度にロシアの肩を持てば、欧米などから反発を受ける。このことは、世界的な超大国であることが容易でないと中国に印象付けていることだろう。

数カ月にわたる長期戦も【ウクライナ危機 識者に聞く】

バイデン政権は、インテリジェンス情報を開示し、ロシアのウクライナ侵攻が差し迫っていることを世界に伝えた点で良い仕事をした。また同盟・友好国とよく調整することで、近年で最も厳しい制裁体制を築くことができた。

家庭教育支援条例案を提示―旭川家庭教育を支援する会 相談役 上松丈夫氏

家庭の教育力低下が指摘される中、全国各地で児童虐待・放任が増加している。学校内でのいじめや不登校も依然として上昇傾向が続く。そうした中、旭川の市民団体「旭川家庭教育を支援する会」が同市に対し家庭教育支援条例制定に向けて活動を展開し、このほど同例案を提示した。条例案作成への経緯や骨子について同会相談役の上松丈夫氏に聞いた。

「民主」VS「権威」の戦場【ウクライナ危機 識者に聞く】

米国や欧州諸国がロシア情勢に忙殺されることは、中国にとってプラスとなる。これにより、欧米諸国が一体となって、中国に対応できなくなるからだ。

外交的解決策の模索を 【ウクライナ危機 識者に聞く】

さまざまな面で失望している。ロシアの戦車がウクライナ国境に向かっている時点で、プーチン大統領と交渉していたら、侵略は避けられた。

ウクライナ問題、台湾にとって対岸の火事でない

ロシアがウクライナに軍事侵攻していることは、台湾を震撼(しんかん)させている。台北駐日経済文化代表処那覇分処の范振國処長(50)にウクライナ侵攻の台湾での受け止めや東アジアの安全保障環境、日台連携の在り方などについて聞いた。

トリガー条項 国民目線で政治判断を-国民民主党 玉木雄一郎代表

国民民主党が衆院で政府の新年度予算案に異例の賛成票を投じ、与野党に波紋が広がった。同党はまた、昨年秋の衆院選以降、衆院憲法審査会でも与党側の幹事懇談会に出席しており、参院選を控え、その動向に注目が集まっている。玉木雄一郎代表に真意を聞いた。

中国 侵攻の計算見直しか 【ウクライナ危機-識者に聞く】

ロシアによるウクライナ侵攻が国際秩序に激震をもたらしている。この危機をどのように捉え、対応していくべきなのか。識者に聞いた。

アブドル・バハ没後100周年式典に参加して

 バハイ信教はペルシャ(今のイラン)で19世紀半ば、バハオラ(1817~92)と彼の先駆者であるバブ(1819~50)によって創始された一神教。イスラム教シーア派のイランでは初期から迫害され、バハオラはイラク、トルコを経て当時のオスマン帝国のアッカ市に追放され、その近辺で一生を終えた。

人々の協力で再生した、樹齢1600年以上の巨樹シンパク

 香川県小豆島の土庄町にある高野山真言宗宝生院には、応神天皇のお手植えと伝わる樹齢1600年以上のシンパクの巨樹があり、国指定特別天然記念物になっている。平安時代初期、弘法大師は生まれ故郷の讃岐と京を往来する途上、しばしば小豆島に立ち寄り、各地で修行を行った。やがてその場所が小豆島八十八箇所霊場となり、宝生院本堂は第54番札所。近年、衰退が危ぶまれていたシンパクが人々の協力で再生。その取り組みを同院の髙橋寿明(じゅみょう)住職に伺った。

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