誇り高き「消防」 火を消すだけに留まらないその役割とは。

「消防が火を消していればいい時代は終わった」

―消防の果たすべき役割は、実は災害に留まるものではないという指摘は目から鱗だ。

国内だと火災は減少傾向だが、世界的には異常気象による大災害が各地で起きており、あらゆる災害に対応しなければいけない時代に入っている。以前、ニュージーランドの消防庁長官に会った時、「消防が火を消していればいい時代は終わった」と言っていた。それが世界の状況だ。

安全保障について、日本では「平和を唱えていればどこの国も攻撃してくるはずがない」という幻想が根強い。しかし、21世紀の現在でも、主権国家に侵略し殺戮と破壊を繰り返す国が現実に存在する。平常時や大災害のことだけを考えていればいいとは限らない。

国防も地域の防災・防犯も、同じ根っこから派生したものと言える。同じ一つのものとして考えてもいいだろう。人々の生命と財産、国土や地域社会を守るためには、それなりの仕組みと教育、訓練も必要であるし、何よりも興味と関心を持ち続けることが大事だ。

消防の仕事は、皆さん方のご理解とご支援なしには達成できない性質のもの。地域の皆さん方にはこれからも、地域の安全と安心のためにご協力をお願いしたい。

消防演習の模様