社説
【社説】北京五輪閉幕 誇らしい日本選手の戦いぶり
熱戦の続いた北京冬季五輪が閉幕した。日本は史上最多となる計18個のメダルを獲得する大健闘を見せた。メダルを取れなかった選手も最善を尽くし、美しいスポーツマンシップを発揮した。選手たちの誇らしい戦いぶりを讃(たた)えたい。
【社説】第6波出口戦略 ワクチン追加接種加速が鍵
新型コロナウイルス対策として36都道府県に適用されている「まん延防止等重点措置」が、きょうを期限に山形、沖縄など5県で解除され、大阪など17道府県で3月6日まで延長される。その一方で、水際対策が3月1日から緩和される。
【社説】国内景気 知恵絞り悪影響は最小限に
2021年10~12月期の国内総生産(GDP、速報値)は、新型コロナウイルスの感染拡大がいったん落ち着き、実質年率で5・4%増と高い成長率になった。ただ、22年1~3月期は変異株「オミクロン株」の影響で急減速する公算が大きい。行動制限など規制は最小限にとどめ、経済へのマイナス影響をできるだけ少なくするよう知恵を絞ってほしい。
【社説】露軍撤収情報 惑わされずウクライナを守れ
ロシアはウクライナ国境付近に10万人規模の軍部隊を集結させて侵攻圧力をかけ、米欧諸国を相手にウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を阻止しようと緊張を高めているが、軍の一部撤収を発表した。しかし、検証が困難な上、米欧当局者から撤収の証拠がないとの発言が相次いでおり、引き続きウクライナを守る国際社会の結束した対応を強化すべきだ。
【社説】北京五輪と薬物 納得できぬ参加継続容認
北京冬季五輪に参加しているフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ選手(ロシア・オリンピック委員会=ROC)がドーピング違反による暫定資格停止処分を解除された問題で、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が参加継続を認めたことが大きな波紋を呼んでいる。
【社説】インド太平洋戦略 米国は中国の変革目指すべし
バイデン米政権が「インド太平洋戦略」を公表した。中国の脅威が高まりつつあるインド太平洋地域に積極的に関与していく姿勢を鮮明にし、この地域での米主導権維持を目指す対中長期戦略だ。
【社説】藤井最年少五冠 19歳の計り知れない強さ
恐るべき強さである。将棋の藤井聡太四冠(竜王、王位、叡王、棋聖)が、渡辺明王将(名人、棋王を合わせ三冠)に挑戦した第71期王将戦7番勝負で4連勝してタイトルを奪取した。
【社説】建国記念の日 皇位継承へ先人たちの苦心
きょうは建国記念の日。初代神武天皇が橿原宮で即位したとされる日である。以来、わが国は権力者や政体が変わっても、皇室を中心として国家を維持し文化を継承してきた。
【社説】福島産禁輸解除 台湾のTPP加盟を支援せよ
台湾は、東日本大震災による東京電力福島第1原発事故後の放射能汚染のリスクを理由にした福島県など5県産の食品輸入停止措置を解除することを発表した。台湾は環太平洋連携協定(TPP)への加盟を申請している。わが国との貿易障害を取り除く姿勢を歓迎し、自由貿易を担う主要な一員としてTPPに迎え入れたい。
【社説】北方領土の日 4島一括返還に強い決意示せ
42回目の「北方領土の日」を迎えた。わが国固有の領土である択捉島、国後島、歯舞群島、色丹島が旧ソ連によって不法占拠され、今なお、その状態が続いている。
【社説】こども基本法案 コミッショナーは左翼思想
自民党内の「こども基本法案」をめぐる論議が紛糾している。法案への明記が検討されている第三者機関「コミッショナー」の考え方が、権利偏重の左翼思想だと保守派議員から異論が出ているのだ。
【社説】ミャンマー軍政1年 正常化ロードマップの作成を
ミャンマー国軍がクーデターで実権を掌握してから1日で丸1年が経過した。この日、軍政は非常事態宣言を半年間延長した。だが、1年間で事態を収束できなかった軍政が、半年間の延長で収束させられる趨勢(すうせい)にはない。何より国民の反軍政感情は根強いものがある。
【社説】北京五輪開幕人権 弾圧黙認の大会にするな
北京冬季五輪がきょう開幕する。五輪憲章に照らせば、中国がこの「平和の祭典」を開催するにふさわしい国であるか疑問だ。中国の人権弾圧を世界が黙認したとの印象を与える大会にしてはならない。
【社説】元首相声明 復興妨げかねない軽率な言動
小泉純一郎氏ら5人の元首相が発表した声明の中に、東京電力福島第1原発事故の影響で多くの子供たちが甲状腺がんに苦しんでいるとの指摘が含まれていた。元首相という立場での言動は、風評被害を広げることにもなりかねない。



