社説

【社説】中国ミサイル 緊張高める挑発は許されぬ

中国軍が台湾を取り囲む海空域で軍事演習を開始し、台湾周辺海域に11発の弾道ミサイルを発射した。 中国はペロシ米下院議長の台湾訪問に猛反発しているが、緊張を高める挑発は許されない。

【社説】米下院議長訪台 日本も一層の関係強化を

ペロシ米下院議長が台湾を訪問し、蔡英文総統と会談した。 米国と台湾の公的交流を認めない中国が重ねて警告を発する中、ペロシ氏は米下院議長として25年ぶりとなる台湾訪問を果たした。日本も台湾との関係を法的に裏付けるなど一層の連携強化を進めるべきだ。

【社説】テロ指導者殺害 地域の安定化につなげよ

バイデン米大統領は、国際テロ組織アルカイダの最高指導者アイマン・ザワヒリ容疑者を殺害したと発表した。この成果を地域の安定化につなげる必要がある。

【社説】経済版2プラス2 日米は国際秩序を主導せよ

日米両政府は、外務・経済閣僚による「日米経済政策協議委員会」(経済版2プラス2)の初会合をワシントンで開いた。覇権主義的な動きを強める中国やロシアを念頭に「ルールに基づく国際経済秩序」づくりを主導すると確認。デジタル社会に不可欠な次世代半導体の量産へ共同開発を進め、サプライチェーン(供給網)強化を目指すことで一致した。

【社説】ミャンマー国軍 不毛な強権行使に未来はない

ミャンマー軍政が、民主活動家ら4人の死刑を執行した。 軍事法廷では、被告側に正当な弁明や弁護の機会が与えられていない。昨年2月のクーデターから1年半が経(た)とうとする中、軍政は政治犯処刑という形で一線を越えた。民主派への政治的恫喝(どうかつ)のため、守るべき規範を破った暴挙は、軍政とはいえ曲がりなりにも国政を預かる責任の放棄に等しい。

【社説】穀物輸出再開 露は合意を確実に履行せよ

ロシアの侵略で滞っていたウクライナからの穀物輸出が再開される見通しとなった。輸出再開はロシア、ウクライナ、仲介したトルコと国連の4者の合意によるものだが、ロシアは合意事項を確実に履行すべきだ。

【社説】米中首脳会談 米国は台湾への関与強化を

バイデン米大統領と中国の習近平国家主席が電話会談を行い、緊張が続く台湾情勢などについて協議した。ロシアのウクライナ侵略を受け、中国による台湾侵攻への警戒が強まっている。バイデン政権は対中抑止に向け、台湾への関与を強めるべきだ。

【社説】日本学術会議 共産党の影響力を排除せよ

日本学術会議は軍用にも民生にも利用可能な「デュアルユース」技術について、軍事に無関係な研究と「単純に二分することは困難」として事実上容認する見解をまとめた。

【社説】サル痘初確認 特性に関する十分な情報を

欧米などで報告が相次ぐ天然痘に似た「サル痘」について、国内でウイルス感染者が初めて確認された。政府は現在のところ保健医療体制への影響は限定的だとしているが、感染拡大防止に向けて感染者の早期発見と共にサル痘の特性に関する十分な情報の発信に努める必要がある。

【社説】中国の挑発 領土領海防衛へ万全の態勢を

経済成長は既に頭打ちとなったにもかかわらず、本年度の中国の国防予算は前年度比7%を超えるなど習近平国家主席の強国・強軍路線は強まるばかりだ。特に海軍の増強は顕著で、昨年中国が就役させた海軍艦艇は22隻に上る。米海軍の3隻と比べ、7倍以上の規模だ。

【社説】防衛白書 政策への理解と支持獲得を

今年の防衛白書は、ロシアのウクライナ侵略や台湾に対する中国の脅威の増大などを踏まえ、国際情勢の厳しさを前面に押し出す内容となっている。

【社説】緊急承認見送り 治療薬開発の体制強化急げ

厚生労働省の合同会議は、塩野義製薬が開発する新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」の緊急承認を見送った。

【社説】インドと日本/自由民主に基づく協力強化を

ロシアによるウクライナ侵略などをめぐって、日米欧などの民主主義陣営と中露などの権威主義国家の陣営との対立が激化している。こうした中、鍵を握るのがインドの動きだ。民主主義陣営が中露への牽制(けんせい)を強める上で、いかに「非同盟」のインドを引き入れるかが問われている。

【社説】日韓関係再生 信頼醸成するシャトル外交を

韓国の朴振外相が来日し岸田文雄首相、林芳正外相、日韓議員連盟の額賀福志郎会長らと会談し、冷え込んだ日韓関係の改善に意欲を示す尹錫悦大統領の対日外交がスタートした。

【社説】穀物輸出/食料めぐる駆け引き許されぬ

ロシアのプーチン大統領はイランの首都テヘランでトルコのエルドアン大統領と会談し、ロシアによる侵略で滞るウクライナ産穀物輸出をめぐって協議した。この後、プーチン氏は、ロシア産穀物に対する米欧などの制裁緩和が必要だという認識を示した。

【社説】羽生選手引退/内外の試練克服した向上心

フィギュアスケート男子で2014年ソチ、18年平昌と五輪連覇を遂げ、世界選手権も2度制した羽生結弦選手が、現役引退を表明した。日本が世界に誇るアスリートであり、引退は残念だが、これからもプロとして華麗な演技を披露してほしい。

【社説】安倍外交の治績/日本の存在感高めた戦略性

安倍晋三元首相が凶弾に倒れた。志半ばでの死は悔やんでも悔やみ切れないが、憲政史上最長となる通算8年8カ月の長期政権を維持した安倍氏は、わが国の外交・安全保障政策に大きな足跡を残した。

【社説】コロナ「第7波」 行動制限よりワクチンだ

新型コロナウイルスの感染が再び急増し「第7波」が本格化してきた。政府は対策本部を開き、経済活動への打撃となる行動制限を避けつつ、ワクチン接種など感染対策に万全を期すことを決めた。

【社説】安倍氏国葬 吉田茂元首相に劣らぬ功績

岸田文雄首相は、参院選の街頭演説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相を追悼する「国葬」を今秋行うと発表した。戦後では、1967年の吉田茂元首相以来2例目となる。政治的功績、国内外の哀悼の動きからしても妥当な判断である。

【社説】日本共産党100年

日本共産党が創立100年を迎えた。党機関紙「しんぶん赤旗」は「新しい歴史をともにつくっていこう」と呼び掛けた。だが、直近の参院選で目標に届かず、革命路線の問い直しを迫られている。志位和夫委員長率いる共産党は今また、新たな曲がり角に来ている。

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