社説
【社説】立民代表質問 見飽きたワイドショー政治だ
臨時国会で岸田文雄首相の所信表明演説に対する各党代表質問が始まった。北朝鮮が日本上空を通過する弾道ミサイルを発射し、一段と安全保障上の緊張が高まっている中で、立憲民主党の泉健太代表は依然として安倍晋三元首相の国葬儀に反対し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との「接点」を追及するテレビのワイドショーと変わらない姿勢を示している。
【社説】首相所信表明 国難の危機示すも気迫欠く
岸田文雄首相が臨時国会の開会に当たり所信表明演説を行った。冒頭、岸田首相は経済、安全保障環境の悪化など「国難に直面している」との危機感を示したが、具体策はあまり語らなかった。
【社説】日米豪防衛相会談 価値観共有する国との連携を
浜田靖一防衛相は米ハワイでオースティン米国防長官、オーストラリアのマールズ国防相と会談し、中国の覇権主義的な行動を念頭に国際秩序を維持するため安全保障戦略を擦り合わせる方針で一致した。
【社説】露の4州「併合」 国際法違反の暴挙を許すな
ロシアのプーチン大統領はウクライナ東・南部4州の占領地の「併合」を決め、親露派と「編入条約」に調印した。力による一方的な現状変更であり、ウクライナの主権と領土の一体性を侵害して国際法に違反する行為だ。国際秩序を揺るがす暴挙は断じて容認できない。
【社説】米太平洋戦略 民主主義諸国は関与強化を
バイデン米政権は、米国として初めて「太平洋パートナーシップ戦略」を策定した。この中で「中国による経済的威圧」が地域の平和や繁栄を損なう危険があると指摘し、南太平洋地域で影響力拡大を図る中国を名指しで非難した。
【社説】原子力規制委 安全重視しつつ円滑な審査を
原子力規制委員会の発足から10年を迎えた。原発の安全性を最優先する姿勢は正しいが、あまりにも慎重な審査で再稼働が遅れ、電力需給の逼迫(ひっぱく)などを招いている。
【社説】日中国交50年 長期的視野で対中戦略外交を
田中角栄首相は1972年9月、大平正芳外相らを伴い訪中した。当時日本は、ニクソン米大統領の電撃的訪中と米中和解の動きに慌て、国際潮流に取り残されまいとの焦燥感に囚(とら)われていた。
【社説】少子化加速 家族重視の価値観浸透させよ
今年上半期(1~6月)の出生数は、前年同期比2万87人(5・0%)減の38万4942人になったことが、厚生労働省の人口動態統計(速報)で分かった。2000年以降最少で、初めて40万人を下回った。
【社説】重要土地等調査法 安保強化へ区域指定急げ
安全保障上重要な土地の利用を規制する「重要土地等調査法」が全面施行された。外国資本による重要施設周辺の土地取得に歯止めをかけるものであり、安全保障の強化につなげるべきだ。
【社説】個人旅行解禁へ 円安梃に出遅れ挽回図れ
新型コロナウイルスの水際対策として実施されている入国者数の制限が撤廃され、個人旅行も解禁となる。先進7カ国(G7)から「鎖国状態」と批判された水際対策の緩和を機に、出遅れを挽回してインバウンド(訪日外国人客)を一気に増大させたい。
【社説】米台湾政策法案 軍事協力強化へ早期成立を
ペロシ米下院議長が8月初めに台湾を訪問して以来、米中関係の緊張がさらに高まる中、米議会が超党派で中国による台湾侵攻の抑止に取り組む姿勢が顕著である。米上院外交委員会は、台湾への軍事支援を大幅に拡大する「台湾政策法案」を賛成多数で可決した。中国の脅威に対し、軍事協力を強化できるよう早期成立を目指すべきだ。
【社説】ロシア動員令 無謀な侵略行為は停止すべし
ウクライナに軍事侵攻したロシアのプーチン大統領は、予備役を召集する部分的動員令を発し30万人の新たな兵力を投入しようとしている。兵員、砲弾の補給が不足してウクライナ軍の反転攻勢を許していたことに対する措置だが、むしろ無謀な侵略行為を一日でも早く停止して露軍を撤収させるべきである。
【社説】英女王国葬 両陛下御訪問で絆深めたい
英国のエリザベス女王の国葬がきょう行われる。第2次大戦後の70年間、見事な治世を実現し、世界の人々からも敬愛された女王との最後の別れとなる。日本からは天皇、皇后両陛下が参列される。
【社説】尖閣防衛 台湾有事念頭に抑止力高めよ
日本政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化してから10年が経過した。中国海警局による領海侵入が常態化し、尖閣をめぐる緊張が高まっている。日本は尖閣防衛策を強化すべきだ。
【社説】日朝首脳会談20年 拉致解決もう待ったなしだ
小泉純一郎首相が北朝鮮を訪問し、最高指導者の金正日総書記と会談してからきょうで20年が過ぎた。小泉氏は約2年後に再訪朝して2回目の会談を行い、最終的に北朝鮮に拉致された日本人5人とその家族の帰国が実現した。だが、それ以降、拉致問題はほとんど進展していない。被害者家族の心痛は察するにあまりある。



