社説
【社説】7~9月期GDP 物価高対策の厚みが必要だ
新型コロナウイルス感染「第7波」や、円安などによる物価高の影響で個人消費が鈍化し、輸入の拡大が成長の足を引っ張った――2022年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値が示す日本経済の姿である。
【社説】米中首脳会談 バイデン氏は警戒強化を
バイデン米大統領と中国の習近平国家主席がインドネシア・バリ島で初の対面による首脳会談を行った。会談では、競争激化が軍事衝突を招く事態を避けるため、意思疎通の維持で一致した。ただ台湾をめぐる議論は平行線に終わっており、バイデン氏は中国に対する警戒を強化する必要がある。
【社説】日韓首脳会談 まず対北抑止で固い絆結べ
岸田文雄首相は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席するため訪問したカンボジアで、韓国の尹錫悦大統領と首脳会談を行った。日韓首脳の正式な会談は約3年ぶりで、元徴用工の問題などをめぐり長く悪化していた両国関係の改善が期待される。
【社説】葉梨法相更迭 政権に緊張感が足りない
葉梨康弘法相が法務行政の重責を自ら否定する軽率な発言の責任を取って辞任した。事実上の更迭であり当然である。あまりにお粗末な問題意識しか持ち合わせていなかった葉梨氏に重要閣僚を任せた岸田文雄首相の責任は重たい。同時に、メディアの動向を見ながら決断を迫られることを繰り返す首相の政治姿勢は危うい。政権に緊張感が欠けていることも猛省しなければならない。
【社説】自転車悪質違反 取り締まり強化で事故減らせ
自転車の交通事故が後を絶たないことを受け、警視庁が悪質な違反に対する取り締まりを強化した。東京都内では、自転車が関係する事故件数の高止まりが続いている。積極的な取り締まりを件数の減少につなげなければならない。
【社説】露軍一部撤退 ウクライナ侵略失敗は明らか
ウクライナを侵略したロシアのプーチン政権が、軍を南部ヘルソン州の一部から撤退する決定をした。ウクライナは先に北東部ハルキウ州を奪還した後、南部へ反転攻勢し、露軍から解放する地域を拡大している。プーチン大統領は「特別軍事作戦」の失敗を悟り、無謀な侵略に終止符を打つ決断をすべきだ。
【社説】米中間選挙 民主は民意を重く受け止めよ
バイデン米政権の任期前半の評価が問われた中間選挙の投開票が行われ、野党・共和党が連邦議会下院でリードしている。上院では与党・民主、共和両党が接戦となり、大勢判明が大幅にずれ込む可能性がある。
【社説】元首相暗殺4カ月 真相を闇に葬ってはならない
安倍晋三元首相が暗殺されてからきょうで4カ月となる。元首相が選挙遊説中に銃撃を受け殺害されるという戦後日本では前代未聞の事件の真相は、いまだ闇の中だ。警察、政府、政治家たちは真相究明を求める声に応える義務がある。
【社説】独首相の訪中 日米欧の切り崩しを憂慮
ドイツのショルツ首相が中国を公式訪問し、習近平国家主席と会談した。先進7カ国(G7)首脳の訪中は、新型コロナウイルスの世界的感染が始まった2020年以降で初めてだ。
【社説】露反LGBT法 懸念される人権抑圧正当化
ロシアでは、同性愛など「非伝統的な性関係」についての情報の流布を大幅に制限する法律が改正される見通しだ。性的少数者(LGBT)に関する報道や映画がほぼ全面的に禁止される可能性がある。
【社説】梅毒1万人突破 政府に危機意識が足りない
梅毒患者が10月の時点で、初めて年間1万人を超えた。昨年の同時期と比べると、1・7倍と急増ペース。政府は「緊急事態」の認識を持ち、感染の恐れが高い性行動を取った人に検査を促すことや不特定多数との性行動に注意を呼び掛けるなど、拡大防止に力を入れるべきだ。
【社説】北ミサイル 危険な挑発で緊張高めるな
北朝鮮が平壌の順安付近から日本海に弾道ミサイル1発を発射した。大陸間弾道ミサイル(ICBM)の可能性が高く、2段目を分離後、通常飛行に失敗したとみられる。極めて危険な挑発であり、断じて容認できない。日本は米韓両国と連携し、警戒を強化すべきだ。
【社説】文化の日 ポストコロナの文化創造へ
きょうは文化の日。新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)が続き、その収束時期はまだ不透明ではあるが、これまで制限されてきたさまざまな文化活動も元に戻りつつある。
【社説】総合経済対策/消費の下支えに万全を期せ
政府は物価上昇への対応などを柱とする総合経済対策を決定した。目玉は電気・ガス料金の負担軽減である。ガソリン補助金の延長と合わせ、総額6兆円を投じて平均的家庭で計4・5万円ほどの負担軽減を見込む。
【社説】ソウル雑踏事故 「群衆雪崩」防止の対策強化を
韓国・ソウルの繁華街、梨泰院の狭い路地で群衆が折り重なるように倒れる事故があり、150人以上が死亡、130人超が負傷した。日本人女性2人も犠牲となった。
王将社長射殺/暴力団の市民襲撃防止徹底を
「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東隆行さんが2013年12月、京都市山科区の本社前で射殺された事件で、京都府警は殺人と銃刀法違反容疑で特定危険指定暴力団工藤会系組幹部の田中幸雄容疑者を逮捕した。
【社説】核態勢見直し 米国と同盟国の抑止力向上を
バイデン米政権が核政策の指針となる「核態勢の見直し」(NPR)を公表した。核抑止は「国家にとって最優先事項」とし、同盟国に「核の傘」など「拡大抑止」を提供することを明記した。こうした米国の姿勢を評価したい。



