社説
【社説】自民党大会 保守岩盤層の離反を防げ
自民党が定期党大会を開いた。4月の統一地方選と衆院補欠選挙への事実上の総決起集会である。岸田文雄首相(党総裁)は「一丸となり、まなじりを決して必ず勝ち抜こう」と述べ、党の団結を訴えた。
【社説】国連安保理 分断招く中露は許されぬ
国連安全保障理事会が、ロシアによるウクライナ侵略開始1年に合わせて閣僚級会合を開催した。日米欧をはじめ多くが改めてロシアを非難したが、中国など一部は批判を控え、理事国間の温度差が露呈した。
【社説】日本学術会議 法改正で共産党の影響排除を
政府は日本学術会議法改正案を今国会に提出する。会員候補の選考を巡って、第三者でつくる「選考諮問委員会(仮称)」を新設し、候補を事前に諮問させることが柱だ。人選を透明化し、幅広い分野の会員で学術会議を構成させる狙いがある。
【社説】ウクライナ侵攻1年 ロシア勝たせぬ支援の継続を
ロシアがウクライナに軍事侵攻して1年がたった。北、東、南の3方から本格的に進撃を開始した明らかな侵略にもかかわらず、プーチン露大統領は教書演説で「戦争を始めたのは西側諸国」と述べた。黒を白と言いくるめる正当化は断じて許されない。このような国際秩序破壊は、全世界の安全を脅かすことになる。ロシアが撤退するまでウクライナを支援すべきだ。
【社説】立憲民主党 改憲に前向きな姿勢を示せ
立憲民主党が党大会を開催した。泉健太代表は4月の統一地方選や衆院補欠選挙の勝利に全力を挙げる考えを強調。党勢回復に向けて結束を呼び掛けるとともに、政権交代を目指す考えを示した。
【社説】離島防衛訓練 国内実施増やし侵攻に備えよ
陸上自衛隊は米海兵隊と離島防衛を想定した共同訓練「アイアン・フィスト」を行っている。この訓練はこれまで米国内で実施されており、国内では今回が初めて。今後は国内での実施を増やし、中国による離島侵攻に備える必要がある。
【社説】北ミサイル 米本土攻撃の脅しを許すな
北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられる1発を平壌付近から発射した。ミサイルは通常よりも高い角度で打ち上げて飛距離を抑える「ロフテッド軌道」で飛翔した後、北海道・渡島(おしま)大島の西方約200㌔の日本海に落下。落下定点は、日本の排他的経済水域(EEZ)内と推定される。国連安全保障理事会の決議に違反し、断じて許されぬ暴挙である。
【社説】MRJ開発失敗 検証しチャレンジ恐れるな
YS11以来の国産旅客機として注目されたスペースジェット(旧称MRJ)開発中止が決定した。日本の航空機産業の未来をかけたプロジェクトだったが、同産業で優位を保つ欧米の壁は厚かったと言うべきだ。失敗の検証を的確に行い再チャレンジを恐れてはならない。
【社説】GDPプラス 持続的成長へ大幅賃上げを
2022年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0・2%増、年率では0・6%増と2四半期ぶりのプラス成長になった。ただ、物価高や海外経済の減速などが重しとなり、成長は力強さを欠いている。今後の持続的成長には、物価高を上回る賃上げを通じた内需の拡大が欠かせない。
【社説】領空侵犯気球 法解釈変更し撃墜能力備えよ
わが国の領空で過去何度か確認されていた気球型の飛行物体について、防衛省が中国の無人偵察用気球と強く推定されると発表し、政府は領空侵犯した他国の気球や無人機の撃墜を可能にするため自衛隊の武器使用基準を緩和する。無人飛行物体を活用した現代の戦争の現実からも必要な措置であり、高高度を飛行する無人機の迎撃能力を備えるべきである。
【社説】臓器斡旋逮捕 海外での不透明な移植規制を
臓器移植を無許可で斡旋(あっせん)したとして、NPO法人の理事が臓器移植法違反の疑いで警視庁に逮捕された。移植の斡旋業者摘発は初めてだ。海外での不透明な移植を規制するため、法改正などの対策が急がれる。
【社説】少子化対策 児童手当より非婚化対策だ
少子化を巡る国会での議論はもっぱら児童手当の見直しに集中しているが、これが有効な対策となるとは思われない。少子化の最大の原因である非婚化・晩婚化を防ぐ、文字通り「異次元」の施策が必要だ。
【社説】LGBT法案 社会の混乱を招くだけだ
前首相秘書官の差別発言を受け、同性愛者など性的少数者(LGBT)への理解増進法案を巡る動きが与野党で活発化している。自民党内には「今国会で成立させなければ差別発言への批判が党に向かう」(閣僚経験者)との声も出ている。
【社説】日比首脳会談 対中抑止で連携強化せよ
岸田文雄首相が、来日中のフィリピンのマルコス大統領と会談した。東・南シナ海で海洋進出を強める中国を念頭に、安全保障・経済両面で関係を強化することで一致。「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた連携も確認した。
【社説】共産党員除名 民主主義と相容れぬ革命政党
日本共産党は、同党への党首公選制度の導入を提唱した党員について「重大な規律違反に当たる」として除名処分にした。「民主集中制」で上意下達の独裁的な党組織を死守していくことを改めて世に示しており、共産党そのものは民主主義と相容(い)れない政党であることが確認できる顛末(てんまつ)となった。
【社説】米一般教書演説 「内向き」で影響力低下招くな
バイデン米大統領は連邦議会の上下両院合同会議で、内政・外交方針を示す一般教書演説に臨んだ。連邦政府の借入限度額を定めた「債務上限」の引き上げを巡り、野党共和党に協力を要求したほか、外交面でも中国との競争に打ち勝つため「結束すべきだ」と強調。超党派での連携を訴えた。
【社説】首相秘書官更迭 同性婚論議と分けて考えよ
性的少数者(LGBTなど)や同性婚を巡って差別発言をした荒井勝喜首相秘書官が更迭された。差別が許されないのは当然である。一方、荒井氏の発言と同性婚に関する論議は分けて考える必要がある。



