【G7広島サミット】記念品の中身は?

折り鶴の再生紙でできたメモ帳
折り鶴の再生紙でできたメモ帳

折り鶴が再生紙に変貌、SDGs重視に賛否

広島サミットの各国代表団及びプレス関係者に、「サミットバッグ」と呼ばれる記念品が配布されている。6点が入ったサミットバッグのコンセプトは、プラスチックを極力使用しない、環境に配慮したもの。 地場産業の技術や、 開催国日本のSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みをアピールする。

布袋は、日本で最も有名デニムの産地の一つである広島県福山市産の備後デニムを使用しており、丈夫そうな作りだ。G7ロゴ入りのボールペンは、植物由来の素材である「バイオマスプラスチック」を使用。ノートには、炭酸カルシウムを50%以上含む、紙・プラスチックの代用品となる日本発の新素材「LIMEX」が使われている。

使用前、鳩の形をしたタオル
使用前、鳩の形をしたタオル

ひときわ目を引いたのはメモ帳だ。広島に送られてくる折鶴から作られた再生紙に、広島を象徴する鯉や広島焼をデザインした。折り鶴の作り方が書いてあるが、折り鶴として広島に奉納したら再び再生紙として蘇るのだろうかと想像してみた。平和の象徴である鳩の形をした白い物体は、水に戻すとハンドタオルになる仕組み。

広島県の間伐材を使用した茶色のタンブラーは、軽くて使いやすそうだ。ただ、3千人を超えるとされる報道関係者でこれを使っている人はサミット2日目現在、1人も見かけない。ほとんどは無料提供されているペットボトルに手を伸ばしている。記者のSDGsの意識は思ったほど高くないようだ。

間伐材を使ったタンブラー
間伐材を使ったタンブラー

米国通信社の男性記者は、匿名希望としたうえで、「あまり実用的ではない。置いて帰ることになりそうだ」と残念がった。一方で、ドイツ公共放送のエンゲル・グドゥルーン記者は、「環境に配慮したグッズは日本らしい。ドイツに通じるものを感じる」と喜んだ。

記念品は毎回、サミット開催地・国が工夫を凝らして用意している。最近のサミット土産の傾向としては、モバイルバッテリーやUSBスティックなどデジタル商品が配布される風潮にあったが、日本風のSDGsを意識したおもてなしは賛否が分かれる結果となった。

(広島サミット取材班)

デニム生地でできたバッグ
デニム生地でできたバッグ
サミットバッグの中身
サミットバッグの中身