城絵図や関連資料を一堂に

江戸時代の藩境や城下町の町割、そして明治時代以降の街並みの変遷を描いた絵図は多くの示唆に富む。
秋田県立博物館(秋田市金足)で開かれている企画展「秋田藩の絵図-描かれた城と城下町-」は、江戸時代から明治時代にかけて秋田藩の城絵図や関連資料約60件を一堂に集めた。同館所蔵品のほか県公文書館、佐竹史料館、県立図書館、横手公文書館、大館郷土博物館などの資料で、秋田の城郭の特色や城下町の変遷を示す。
「江戸時代、幕府や全国の諸藩は様々な種類の絵図を作成した。一例が、大名の居城や城下町を描いた城絵図。都市として発展を遂げた城下町の様子や、軍事拠点としての工夫が凝らされた城郭の構造を読み解く上で貴重な資料となっている」(同館)
全体は5章で構成。第1章は『六郡絵図』に代表される藩全体と隣藩との境界について。そして秋田藩では存続が許された横手・大館の支城と、城郭が破却された城下町・角館や湯沢の絵図も残っている。
第2章では、城の土塁修築にも幕府への届け出が義務付けられていたことが示される。許可文書には松平定信や田沼意次の名前があった。
同館ではさらに詳しく知りたい人向けに参考文献一覧を用意。また約20件の画像はデジタルアーカイブで閲覧し、拡大して見ることができる。同展は6月11日まで。
(伊藤志郎、写真も)



