
主に昭和30年代から50年代にかけ家庭で撮影された8ミリフィルムを収集し、当時の貴重な風俗や価値を見直す動きが全国各地で進んでいる。秋田県でも取り組みがなされ、近日中にまず3本のDVDを完成させ、秋田市立図書館で公開する予定だ。
秋田8ミリフィルム・アンソロジー運営実行委員会(秋田公立美術大学内)が運営主体で、3年間かけ家庭に眠っているフィルムの収集活動を行い、90件を超える応募があった。
先日、秋田市文化創造館でデジタル化した映像の一部を上映する会が開かれ、約100人が鑑賞した。今では上映機のある家庭はまれで、8ミリフィルムが家にあっても活用されないか廃棄されている。
同委員会では「過去のできごとや風土を現在に伝えるさまざまな歴史資料の中でも、映像は説得力を持つ。人々の暮らしの営みやまちの風景を記録しており、改めて見つめなおすことで、まちの共有財産として保存、活用していきたい」としている。
上映会では、駅に向かう花嫁行列や、年間を通した米作りの農作業、繁忙期の地域保育所、虫追い行事、昭和30年代の葬儀、中南米に移民する人たちの送迎行事、秋田県沖の海底油田開発などが紹介された。
参加した秋田市内の60代女性は「GHQの将校が撮影した16ミリフィルムはきれいでした。懐かしい光景もあり、楽しい時間を過ごせました」と話した。
(伊藤志郎、写真も)



