空砲説否定でも協力者の可能性
安倍元首相を狙った山上容疑者の2回の発砲は、警備担当者や人々の注意をそらす「ミスディレクション」のための空砲だったのではないか、という説がある。特に安倍氏の傍(そば)にいた誰にも弾が当たらず、大きな爆発音と煙を出した1回目についてはその疑いが強い。
しかし、ウェブニュース専門チャンネルAbemaNewsが視聴者からの映像として紹介した動画には、1回目の発砲の後、安倍氏の斜め上に弾丸らしきものが映っている。
安倍氏が被弾した可能性のある2回目の発砲については、その瞬間の複数の動画の分解映像を見てみると、安倍氏の背広の左襟が瞬間的に内側に翻っているところが写し出されている。後方からなんらかの力が加わったとみられるが、この時、容疑者が撃った弾が安倍氏の議員バッジに当たったようだ。
ネット上にアップされた現場で仰向けになった安倍氏の写真を見ると、左襟には議員バッジとブルーリボンは付いていない。
さらに撃たれた瞬間、安倍氏は右手にマイクを握っていたが、そのマイクに議員バッジの紋章の痕らしきものが付いたとの報道がある。インターネット上にはその写真がアップされている。弾丸は議員バッジに命中しそれがマイクに当たった可能性が高い。
これらのことから、山上容疑者の発砲が空砲であったとする根拠は薄い。しかし、だからといって山上容疑者が「ミスディレクション」の役割も兼ねていた可能性は否定できない。
致命弾を撃った別の何者か、銃の製造を協力した何者かの存在の可能性を完全に排除することにはならない。
(世界日報特別取材班)



